どんなコースでプレーしても結局落ち着くスコアはいつも同じ。あるいは、前半はいいスコアだったのに、後半叩いていつものスコア。ゴルファーならば、こんな経験は誰もが味わったことがあるはず。なぜいつも同じようなスコアになってしまうのか? その原因と、マンネリスコアを打破するコツを、プロも教えるメンタルコーチ池努がレクチャー!

ランチに「払える」のは800円? それとも1000円?

私たちにはコンフォートゾーンと言い、人それぞれにとって居心地の良い空間や快適な領域(レベル)があります。私たちはコンフォートゾーンの内側にいるときは安心感や落ち着き、安定感や心地よさを感じます。

たとえばあなたは仕事日のランチの料金はいくらまでなら違和感なくOKを出せますか?人によって700円、800円、1000円、1500円と金銭感覚は違います。例えば、仮にあなたが800円まではスムーズに出せるけど1000円を出すのは違和感があるとします。その場合、あなたのランチの料金に関するコンフォートゾーンが800円以内となります。

そして、そんなあなたが同僚から「一緒にランチに行こう」と誘われ3日連続で1000円を超えるランチに行くとしたら、あなたはどんな違和感を感じ、どんな反応をするでしょうか? きっと、3日目には頭の中で「さすが3日間連続で1000円はないな…」と思い、「今日は予定があるから」などと適当な理由をつけて誘いを断るかもしれませんよね。

実は、このように私たちの判断や行動は無意識のうちにコンフォートゾーン内に収まる傾向にあるのです。これと同じでゴルフのスコアや人付き合いにもコンフォートゾーンがあります。

環境を変えることでコンフォートゾーンは広げることができる

あなたが「ゴルフはスコアや内容にこだわるのではなく、楽しむもの」と捉えていたとしたら「ガンガン、スコアを伸ばし高いレベルのゴルファーになりたい」という競技志向の人とは一緒にラウンドをするのは気が引けますよね。

仮に競技性を持ってゴルフをしている方ばかりの中で一緒に自分がラウンドをしたとしたら、いつものメンバーでのラウンドとは違い、ワンプレーへの真剣度や緊張感が伴うようなゴルフを楽しめないはずです。そうするとその後、上記のようなメンツでのお誘いは丁重にお断りしてしまうものです。

画像: “コンフォートゾーン”を広げてみるとスコアアップできるかも!?(撮影/山本藍)

“コンフォートゾーン”を広げてみるとスコアアップできるかも!?(撮影/山本藍)

他にも“スコア”にも自分らしいコンフォートゾーンがあります。95〜110くらいが自分らしい、という風に。これが「なかなかスコアを上げたくても上がらない」という方の、メンタル面での障壁になっている可能性もあります。

まずは、自分がゴルフをする環境をチェックしてみましょう。ゴルフを一緒に練習する人/ゴルフを習うコーチ/ラウンドによく一緒に行く人/クラブや自主トレ用具のクオリティなど。環境と現スコアを見比べた時に「環境を見ると今のスコアも納得できる。一緒に練習・ラウンドする人は同じくらいのレベルの人ばかり。そういえばコーチに習っている人もそんなにスコアが伸びている感じがしない」などと感じるのであれば、スコアを高めるために環境を変えてコンフォートゾーンを広げていく必要がありそうです。

具体的には自分が目指すスコアを達成し、ワンランク上のレベルにいる人と練習、ラウンドする。その人たちが習っているコーチをつけ、できれば使っている道具や練習器具も参考にする。そして、その環境に慣れていく。それが重要です。

最初の頃は、新しい環境に違和感を覚えるはずです。「前の心地いい環境に戻りたいな」と。しかし、その環境で経験値を積んでいき、小さくてもいいのでレベルアップを体感できればコンフォートゾーンはいつの間にか広がり、スコアもあがっていく可能性が高いです。

今回書いた手法はあくまでも「ワンランクレベルを上げたいゴルファー」への1つの解決策の提案です。現状からなかなか抜け出せないという方は「環境を変え、コンフォートゾーンを広げる」という方法も試してみる価値はあると思います。

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