仕事が終わってから練習しよう! そう思っていても中々やる気が起きず「明日やろう」「今日はやめておこうかな」と感じてしまうこともあるはず。そんなときは「とにかく始める」ことが効果的だと話す。プロも教えるメンタルコーチ・池努から「めんどくさい」への対処法を紹介。

めんどくさいはずの掃除を初めてみたら2時間没頭。それには理由がある

今年の社会人の夏季休暇は長い方で9連休ほどありましたね。みなさんはどんな休暇を過ごすことができたでしょうか。長期のお休みで心身ともにリフレッシュして「仕事を頑張ろう!」とやる気に満ちあふれている方もいれば、逆に休み明けだからこそ仕事量も多く憂鬱な方もいらっしゃるかと思います。むしろ、憂鬱な方のほうが多いかもしれませんね。

そのように多くの方は仕事量も多く、やるべきことが山積みのとき、今日やろうと決めていたはずの仕事の事務処理やゴルフの練習に対しても「めんどくさい」と気持ちが乗らないこともあるのではないでしょうか。そして、その「めんどくさい」という気持ちから「明日でいいだろう」という先延ばしの思考につながり、さらにやる気を低下させてしまいうこともあるかと思います。

画像: 「明日にしよう」そう感じたら少ない数でもいいので球を打ち始めよう(撮影/三木崇徳)

「明日にしよう」そう感じたら少ない数でもいいので球を打ち始めよう(撮影/三木崇徳)

今回の記事では上記のように本当は今日やるべき仕事の事務処理やゴルフの練習に対して「めんどくさい」「今日はやめておこうかな」「明日やろう」とやる気が低下した状況への対処法をお伝えしていきたいと思います。

とにかく始める

「めんどくさい」への対処。それはとてもシンプルで「とにかく始める」です。おいおい、メンタルコーチが精神論かよとツッコミが入りそうですが、これには裏付けがあります。

ドイツの心理学者エミール・クレペリンは興味のないような作業でもやっているうちにやる気や集中力が出てくるという作用を発見し、これに「作業興奮」と名付けています。作業興奮には何らかの行動で脳の側坐核が刺激を受けることでやる気ホルモンが分泌されという仕組みがあるというのです。

部屋の掃除を何気に始め、いつの間にかやる気になってしまい「ここも綺麗にしたい、これもあれも捨てよう」と少しのつもりが1時間も2時間も掃除や断捨離をしてしまっていたという経験が誰にでもあるかと思います。これは実は「作業興奮」の仕業なのです。

私たちは始め面白みがない、めんどくさいと考えていた作業も一度始めしまえばそれなりに気持ちが乗ってきて楽しめたり、最初ほどめんどくさいと感じないようなのです。ゴルフの練習でも同様で「今日はなんか気持ちがのらないな。だるいなぁ」と感じていても練習場で球を打っているうちにやる気や集中力が湧いてくるものです。ですので、ゴルフでも仕事でも勉強でもこの作業興奮を使わない手はありません。

今日は仕事が終わったら家でパッティングの練習を予定していても「めんどくさい」と感じたなら、とにかくパター練習用のマットを用意して1球打つ。今日はランニングを予定していても「めんどくさい」と感じたなら、とにかく着替えて外に出る。今日は練習場で球を打つ予定にしていても「めんどくさいな~今日はやめておこうかな」と思った時こそ、まずは練習場に足を運び、少ない数でもいいので球を打ち始める。

飛行機や車も発進時に多くの燃料を消化するのと同じで私たちもゼロ→イチと自分を動かす時が最もエネルギーを使うようです。しかし、一度動いてしまえば車で高速道路を走っているときのように低燃費で動けてしまいます。

「めんどくさいと感じた時こそ、とにかくはじめる」この作業興奮の考え方はゴルフにも仕事にも勉強などあらゆることに効果的です。あなたは何に対してこの作業興奮を活用していきたいですか?

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