選手、運営、設備……すべてが世界基準
昨日の「ザ・チャレンジ:ジャパン・スキンズ」の興奮醒めやらぬアコーディア・ゴルフ習志野カントリークラブは、あいにくの雨。しかも最高気温16度というかなり肌寒い日でしたが、練習日の今日もコースには多くのギャラリーが詰めかけていました。
その数1万1063人。これは先週の国内メジャー、日本オープンの土曜日と日曜日の入場者数を足した数とほぼ同数。祝日とはいえ、練習日にこれだけのギャラリーが集まることに、注目度の高さがうかがえます。
私が会場でまず感じたのは、設備やホスピタリティの充実度です。過去に海外のメジャーを取材したこともありますが、それに匹敵するレベルで、日本ツアーとの圧倒的な差を見せつけられました。
入場ゲート周りをはじめ会場内のデザインがイメージカラーの黒で統一されるとともに、大会ロゴのあしらわれた黒い化粧ボードがあちこちで多用されていてとてもスタイリッシュ。スタンドの位置やグリーンへの近さ、VIP用のホスピタリティテントの規模、そしてメディアセンターなど、すべてが海外のメジャー大会並みでした。
オフィシャルストアには、メインスポンサーであるZOZOTOWNとコラボレーションしたシャツやキャップなどのアパレル類、キャディバッグ、ティなどのゴルフグッズが販売され、大盛況でした。
入口ゲートでは空港並みのセキュリティチェックがあり、手荷物の中まで確認されます。多くのギャラリーが集まる中でこれだけのセキュリティチェックがあると安心して観戦できます。
こういった興行としてのスケールやプロモーションなどは、さすがPGAツアーという感じ。ただ一流選手を集めて試合をするだけでなく、イベントとして盛り上げるための工夫が随所に凝らされています。
今日はかなり強い雨が降っていたのでタイガー・ウッズやアダム・スコットらは会場に来ませんでしたが、ローリー・マキロイやジャスティン・トーマス、ジョーダン・スピースなどはドライビングレンジで練習をし、松山英樹や石川遼などの日本人選手も調整に励んでいました。
メジャーチャンピオンをはじめ、多くのトッププレーヤーが集う光景はまさにPGAツアー。日本の試合に海外の一流選手が来たのではなく、PGAツアーの試合そのものが日本にやってきたんだということを感じさせてくれました。
こういった多くのPGAツアーのトッププレーヤーを間近で見られるチャンスは、我々メディアの人間でもそう多くありません。本当に貴重な機会だと思います。
みなさんがもし会場で選手のプレーを見る機会があるなら、ぜひ彼らの弾道を見てほしいですね。できればドライバーを使うホールのティイングエリアの後方から、彼らのドライバーショットを見てほしいと思います。
ここから彼らのショットを見ると、まずスウィングスピードの速さに驚くと思います。ダウンスウィングからフィニッシュまで一気に振り抜くスウィングのスピードは、想像を超えた別次元。とくに、マキロイのスウィングは一見の価値ありです。
そしてもう1つ驚きなのが球の高さ。キャリーで軽々と300ヤードを超えるようなドライバーショットというのは、まるでショートアイアンかウェッジのような高い打ち出し角で、恐ろしく高初速のボールが飛び出し、いつまでも落ちてきません。そしてねじれのない素直な弾道で飛んでいきます。
選手をよく見るにはティイングエリアの脇や、特定の組と一緒にコースを歩くのがいいと思うかもしれませんが、横から見たのでは弾道が速すぎて目で追いにくいですし、今日よりもさらに多数のギャラリーが想定されるなかで人気選手の組について歩こうとしても、案外選手や弾道はよく見えないんです。
もちろん観戦方法は人それぞれですが、頭の片隅に入れておいて、観戦方法に迷ったらトライしてみてください。
習志野カントリークラブは、グリーン、フェアウェイともにしっかりと仕上がっていて抜群のコンディションです。しかし、昨日のテレビマッチでも、トッププレーヤーたちが意外にフェアウェイヒットできずに苦しんでいました。そこに日本人選手の勝機があるかもしれません。
週末の4日間、本当に目が離せない戦いが繰り広げられます。どうか、お楽しみに!