ショット力はツアー屈指。課題はグリーン周りとグリーン上での「勝負強さ」
小祝さくら選手と言えば、おしとやかな雰囲気とは裏腹に休みなくすべての試合に出場する鉄人のような強い体とハートの持ち主です。2018年シーズンの12回の予選落ちから昨季は7回と少なくなり、調子が悪いながらも予選を通過したり、上位で戦えたりと着実にレベルアップしていると感じます。
元々ショット力には定評があり昨季の飛距離とフェアウェイキープ率を掛け合わせたトータルドライビングは5位と飛距離と正確性の高さを示し、トータルドライビングとパーオン率を掛け合わせたボールストライキングでも8位にランクインしています。下半身の力を使ってしっかりと振るスウィングはキレがあって思い切りもいいです。
昨季は初優勝を挙げましたが、そのポテンシャルは2勝目、3勝目と重ねてもおかしくないとは誰もが思うところ。今季の目標を含めてサポートする辻村明志コーチに聞きました。
「ショット力はたしかに上がって来ていますが、勝つためにはグリーン周りとグリーン上ですね。そこでの勝負強さをどうつけていくか。それがオフのテーマになります。それとラウンド中の状況判断やラインの作り方、2年間やってきた中での記憶力ですね、やっぱり記憶力がないと上には行けない世界なので。このオフではグリーン周りとグリーン上に負荷をかけてしっかり練習することです」(辻村)
調べてみると、たしかに1ラウンド当たりの平均バーディ数は15位、平均パットでもベストテンには入っていません。辻村コーチの言う通りにグリーン周りとグリーン上の勝負強さを備えたら小祝さくらは大ブレイクするかもしれませんね。
その理由は小祝選手の持つ心の強さです。何度か試合中について歩いたことがありますが、80を叩いてもおかしくないような調子の悪いときでもスコアを落とさずに粘り強くプレーする姿には簡単には諦めない、心の強さを感じました。
渋野日向子選手と同じ98年生まれの黄金世代。今季の小祝さくら選手にはとくに注目してみたいですね。