週刊ゴルフダイジェストで連載中の「ゴルルとルール2020」は、ゴルフルールに関するクイズコラム。今回は2020年に公開された問題の中から正解率の高かった「やさしい問題トップ5」をピックアップ! ゴルフルールの基本、あなたはどれくらいわかる?

正答率92%! バンカーのフチの外側に飛び散った砂の上に止まったボール。打つ際にクラブが砂に触れたらどうなる?

2020年に公開されたゴルフルールクイズの中でもっとも正解率が高かったのは、7772名が解答し、正答率92%となったこの問題。さっそく見てみよう。

「2打目がバンカー方向へ飛んだが、ボールは運よくバンカーの外へ。ところが近づいてみると、ボールはバンカーから飛び散った砂の上に止まっていた。慎重にアドレスを取り、いざぼるを打とうとヘッドを地面につけたところ、同伴者から2打罰を指摘されてしまった――」

さて、正解はどちらだろうか?

【1】2打罰

【2】罰なし 

画像: バンカー外に飛び散った砂にはクラブを接地させて良い?

バンカー外に飛び散った砂にはクラブを接地させて良い?

正解は、【2】の「罰なし」。バンカー内の球に対してストロークする前に、クラブで球の直前・直後の区域の砂に触れることは禁止されている(規則12-2b)。ただし、バンカーエリアのフチの外側にある、または飛び散っている砂はバンカーの一部に当たらない(定義)ので、今回のように、打つ前にボールの直後の砂にクラブを接地させても問題ない。

正答率89%! バンカー内でアドレスのため足場を固めたあとで、アドレスを解いてクラブを交換することは認められる?

次に正答率が高かったのは89%のこの問題。こちらもバンカーに関するクイズとなっている。

「少しでもグリーンに近づけようとフェアウェイウッドを手にバンカーへ。足が滑らないよう足場をしっかりと固め、アドレスを取ったあとで、予想以上にアゴが高いことに気がついた。そこでアドレスを解いてクラブを替えることに。それを見た同伴者からは、「砂質のテスト」に当たると指摘されてしまったが……」

正解はどちらだろうか?

【1】認められる

【2】砂質をテストしたとみなされ2打罰

画像: バンカー内で足が滑らないよう踏み込んでアドレスを取ったあとに、他のクラブへ持ち替えて良い?

バンカー内で足が滑らないよう踏み込んでアドレスを取ったあとに、他のクラブへ持ち替えて良い?

正解は、【1】の「認められる」。バンカー内の球をストロークする前に、砂の状態をテストするために手やクラブなどで砂に故意に触れることは禁止されているが、砂に足を滑り込ませるなどして両足をしっかりと据えることは認められている(規則8-1b)。またバンカー内でスタンスを2度取ることを禁止する規則はなく、今回のケースも「砂質のテスト」とはみなされない。

正答率87%! ティショットを打つ前にティアップした球の近くのディボット跡を修復した。どうなる?

続いてはティーイングエリアでのディボット跡の修復に関する問題だ。

「パー3ホールでティショットを打とうとアドレスを取ったところ、球のやや後方にあるディボット跡が目土されずに削れらたままになっているのが気になってしまう。そこで、打つ前に目土をして地面を均したところ、同伴者からスウィング区域の改善を指摘されてしまった」

正解はどちら?

【1】罰なし

【2】2打罰 

画像: ティショットを打つ際にボール付近のディボット跡を修復するのは、スウィング区域の改善になる?

ティショットを打つ際にボール付近のディボット跡を修復するのは、スウィング区域の改善になる?

正解は、【1】の「罰なし」。プレーヤーは、ストロークを行う前に、ディボットをディボット跡に戻したり、穴や窪み、起伏のある綿をなくしたりすることによって、ストロークに影響を及ぼす状態を改善してはならない(規則8・1)。ただし、ティーイングエリアにおいては、砂やバラバラの土を取り除いたり、押し付けるなどして、地面の状態を変えることは認められている。

正答率83%! グリーン上の同伴者のために自分の打った球が当たり、方向が変わってカップインした場合、カップインは認められる?

「ウェッジで打った3打目は、グリーン上にあった同伴者の球に当たって、方向が変わり、そのままカップイン。『ラッキー! バーディ!』と意気揚々とカップから球を拾い上げるが、同伴者は『球が当たった位置にリプレース』と主張。果たしてどちらが正解?」

【1】カップインが認められる

【2】カップインは認められない

画像: 同伴者のボールに当たって転がる方向が変わり、カップイン。これって認められる?

同伴者のボールに当たって転がる方向が変わり、カップイン。これって認められる?

正解は認められる。グリーン以外からストロークされて動いているプレーヤーの球が人や外的影響(ほかのプレーヤーの球を含む)に偶然当たった場合、どのプレーヤーにも罰打はなく、球はあるがままでプレーしなくてはならない(規則11・1)。ただし、動いている球が当たって動かされた球は、元の位置にリプレースしなければならない(規則9・6)。

正答率82%! 崖からのショットでピンが見えないとき、同伴者が「こっち方向」とピンの方向を教えるのは違反になる?

最後に紹介するのは、同伴競技者へのアドバイスに関する問題。

コンペに参加した2ひと。パー4の2打目を左に曲げ、落下地点へ行ってみると崖で球が止まり、何とか打てる状況だった。それを見た同伴者が「ピンはこっち方向よ!」と手を上げながら伝えてくれたが、「いまのはアドバイスになるのでは?」と指摘した。

どちらが正解?

【1】罰打なし

【2】アドバイスで2打罰

画像: ショット地点からピンが確認できない状況で、同伴競技者がピン位置を教えてきた。これってアドバイスになる?

ショット地点からピンが確認できない状況で、同伴競技者がピン位置を教えてきた。これってアドバイスになる?

正解は、【1】の「罰打なし」。正規のラウンド中、同伴競技者にアドバイスを求めたり、与えることは禁止されている。しかし、今回のようなプレーの線上やその近くに立ってもらい、「プレーの線を示す」ことは、グリーン上以外では誰からでも受けることができる。ただしストロークを行う前にその人はその場所から離れなければならない(規則10・2b)。

普段のラウンドでも遭遇頻度は決して低くないシチュエーションから出題された、ゴルフルールの簡単クイズトップ5。これを機にルールの基本を再確認してみるのも良いだろう。

※各クイズの正答率は2020年12月23日15時00分時点の集計結果を参照。

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