2017年の全米プロゴルフ選手権を含む、PGAツアー通算13勝をマークしているジャスティン・トーマス。独特な動きのスウィングをするタイプの選手なので、一般のアマチュアがすべてをマネするのは難しいですが、いくつか参考にしてほしいポイントがあります。
まずひとつめはテークバックの上げ方です。スウィングを飛球線後方から見たときに、クラブが地面とちょうど平行のハーフウェイバックで、グリップ(手元)よりもヘッドが前にあるのが分かります。これはとても重要なポイントで、テークバック時はヘッドが開く方向に力が働くため、ハーフウェイバックではヘッドが手元よりも後方へ上がりやすいんです。
ヘッドが手元よりも後方にくるとフェースが開いてしまうため、切り返しからダウンスウィングでクラブを立ててヘッドを戻そうとする動きが出やすくなります。バックスウィングでクラブがインサイドに上がり、ダウンスウィングではアウトサイドから下りてくるという逆ループのスウィングになり、ゆるやかな軌道でボールをとらえるのが難しくなってしまうんです。
トーマスのようにテークバックではヘッドが手元よりも前にある状態をキープすることによって、スウィング中にクラブが体の正面から外れなくなり、コントロールがしやすくなります。ダウンスウィングのクラブ軌道が安定してミート率がアップします。
また、彼のスウィングでもっとも特徴的なのが、インパクトの瞬間に両足のかかとが浮くぐらい地面を強く蹴ることによる反力を最大限に利用している点です。
トーマスのように両かかとが浮くまではいかなくても、インパクトで両ひざがピンと伸びきるぐらい積極的に下半身を使って、地面を強く蹴る意識を持つといいでしょう。地面反力を上手に利用することで効率よくクラブを加速させることができ、間違いなくヘッドスピードがアップします。
そしてもうひとつ、インパクトでは両かかとが浮いていますが、フォローからフィニッシュでは左かかとにしっかりと体重が乗り、そこを支点にバランスよく体を回転させているのがわかります。ここもぜひマネしてほしいポイントで、そのためには左腰の側面からお尻に体重を乗せる意識を持ち、そこを軸にフィニッシュまで体を回しきるイメージがあるといいでしょう。
そうすることで上体が起き上がらずに前傾姿勢をキープしたまま振り抜くことができ、バランスよくフィニッシュが収まります。この3つのポイントを参考にすることで、トーマスのような飛距離と方向性が両立したドライバーショットを手に入れましょう。