2008年より施行されたSLEルール以前に一斉を風靡した高反発ドライバーと最新モデルを打ち比べたら勝つのはどっち!? プロゴルファー・堀口宜篤がキャロウェイが2000年に発売した高反発の名器「E.R.CII」と2021年発売の「エピックマックスLS」を比較試打してたしかめてみた。

“高反発規制以前”のドライバーと最新ドライバー、どちらが飛ぶの?

ドライバーの進化の節目の一つと言えるのが、2008年より施行された「SLEルール」による、フェースの反発係数の規制だろう。

それまではより反発性能を高めて飛距離を伸ばしていたドライバーだが、高反発による“飛び過ぎ”を規制するこのルールによって、その進化に歯止めがかかる。そしてSLEルールが定める基準値、反発係数0.830を超えたドライバーはルール適合外とされ、競技では使用不可となったことで、それ以降の各メーカーのドライバー開発にも大きな影響を与えた。

画像: 2000年に発売された現在のSLEルール非適合の高反発モデル「ERCII」(左)と2021年最新モデル「エピックマックスLS」(右)両者を打ち比べたらどうなる!?

2000年に発売された現在のSLEルール非適合の高反発モデル「ERCII」(左)と2021年最新モデル「エピックマックスLS」(右)両者を打ち比べたらどうなる!?

ルールが施行されてからすでに13年。その間に、ドライバーはSLEルールの範囲内で高打ち出し・低スピンによる飛距離性能を高め、さらに高慣性モーメント化することで叩いても曲がらない寛容性を高めるなど、進化し続けている。

では実際のところ、反発規制以前のドライバーと最新モデルとで、飛距離性能にはどの程度の違いがあるのだろうか。プロゴルファー・堀口宜篤に、2000年に発売されたキャロウェイ「E.R.CII」と今年発売の最新モデル「エピックマックスLS」を打ち比べてもらってたしかめてみた。

ミスヒット時のロスが圧倒的に少ないエピックマックスLS

ではさっそく堀口がE.R.CII(ロフト10度)とエピックマックスLS(ロフト9度)を試打した結果を並べてみよう。なお試打の際は飛距離性能、寛容性を踏まえた性能差を検証するために、計6球を打ってもらい平均値を算出した。

【堀口のE.R.CIIの試打結果】
HS45m/s キャリー237.5Y トータル261Y 打ち出し角14.1度 ボール初速63.1m/s スピン量1988.5回転

【堀口のエピックマックスLSの試打結果】
HS45m/s キャリー240Y トータル266.6Y 打ち出し角12.7度 ボール初速63.5m/s スピン量2061.5回転

データを見てみると、エピックマックスLSが約5ヤードほどトータル飛距離で上回る形に。その理由は「寛容性の差にあります」と堀口。

「芯で捉えたときは高反発による弾きの強さもあって直進性の高い弾道が出るのですが、ミスヒット時の曲がり幅がかなり大きいんですよね。エピックマックスLSは芯を外すと打ち出し方向こそズレますがそこから球が逃げずに真っすぐ飛んでくれるので飛距離のロスが少なかったんです」(堀口、以下同)

とはいえ、きちんと芯でとらえた際のE.R.CIIの飛距離性能には「目を見張るものがあります」と堀口。芯の一点でとらえた場合の“一発の飛び”という点では20年前に発売されたE.R.CIIも最新モデルに負けないものがあったのは堀口にとっても驚きだったようだ。

高反発が規制されたのち、クラブメーカーはスウィートエリアを広げ、フェース面のどこでもルールギリギリの反発性能を発揮するフェースの開発を進めた。そこに上がりやすさ、低スピン性能、さらには高慣性モーメント化を加えたのが現代のドライバーだ。

結果、「曲がらない」ことを前提に思い切りスウィングできるようにもなり、PGAツアーなどでは平均飛距離はむしろ大きく伸びている。一発の飛びから平均飛距離アップへ。試打結果からも、ここ10数年のドライバー開発の歴史が透けて見える。

ほかにも進化した点がある。打感などのフィーリング面だ。

「E.R.CIIは弾き感がかなり強く、打音も金属バットで打ったような甲高い音でした。対してエピックマックスLSはインパクトの際の打感が柔らかめ。ボールを弾き出しているのではなく、一瞬吸い付いてから押し出していくような感触です。打感の心地良さという面でもエピックマックスLSに軍配が上がりますね」

画像: 【検証】トップドラコン選手は44.5インチの一般的なドライバーでどれくらい飛ばせるのか?驚きの結果が⁉ youtu.be

【検証】トップドラコン選手は44.5インチの一般的なドライバーでどれくらい飛ばせるのか?驚きの結果が⁉

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