「オールドコースで気をつけなければいけないのは“風”と“バンカー”」だと、97年ダンヒルカップと00年全英オープンで実際にオールドコースをプレーしている佐藤信人プロ。オールドコースを知り尽くしている男が、18ホールを徹底解説!

No.1・375Y・Par4
Burn

ティーングエリアに立つと「世界一広いんじゃないか」と思わせるフェアウェイの広さ。右に隣接する18番との共有フェアウェイで、横幅は120〜130ヤード。これは、どのホールにも言えることですが、リンクスはとにかく風次第。初めて回った97年のダンヒルカップでは、ティーショットとセカンドショットの組み合わせが2ÌとSWの日と、ドライバーと5Iの日がありました。左右はOBですが左サイドが広く「Stay Left!」が鉄則。バンカーはありませんが、グリーン手前に「スウィルカンバーン」と呼ばれる小川があり、難度を高めています。安全策でグリーン奥を狙うと3パットも。ほとんどの人がフェアウェイキープを狙いますが、飛ばし屋だと、風や地面の硬さによっては転がりすぎて、この小川に入ることも。1番は9番、17番、18番とともに、オールドコースで4つしかないシングルグリーンで、そのほかのホールはいずれも共有グリーンになっています。共有グリーンは2番と16番、3番と15番……というように、その和が18になるという法則があるんです。

No.2・452Y・Par4
Dyke

これも全ホールに共通することですが、オールドコースはキャディがいないとまず回れません。狙いとなる目標物がほとんどなく、キャディの助言とスタンドや看板、スコアボードなどの建造物を頼りに回ることになるからです。ティーングエリアからは、入れてはいけない厄介なバンカーも見えません。その厄介なバンカーに最初に出合うのがこの2番。フェアウェイに「チープスバンカー」と呼ばれる大きく口を開いたバンカー、右サイドに小さな3つのバンカー。その右は深いラフ。ここでも「Stay Left!」が原則ですが、左に飛び過ぎると2打目のアングルが悪くなります。

画像: 1番(左)/見えるハザードは小川だけ、でも風で番手が大きく変わる 2番(右)/飛ばし屋ならフェアウェイを広く使える イラスト/庄司 猛

1番(左)/見えるハザードは小川だけ、でも風で番手が大きく変わる
2番(右)/飛ばし屋ならフェアウェイを広く使える
イラスト/庄司 猛

No.3・398Y・Par4
Cartgate(Out)

右に3つのバンカーがあり、これを嫌がって左を狙うと、待ち受けるのがグリーン左サイドにある「カートゲートバンカー」です。アングルが悪くなるうえに、信じられないくらいのバンカーの盛り上がりが障壁になり、ピンに寄せるどころかグリーンに乗せることも難しくなる。だからといって右のバンカーにつかまると、ほぼノーチャンスとなります。

No.4・480Y・Par4
Ginger Beer

距離のあるパー4で、難度も高い。見えていない所のバンカーを避けるのがポイントで、ティーショットのターゲットはティーイングエリアと14番グリーンを結んだライン上にあるテレビ塔。ここより左でもセーフですが、セカンドショットが高い丘と深いバンカー越えになり、さらにグリーン左手前には大きなバンカーが待ち構えています。

画像: 3番(左)/安全第一で左から攻めると、ガードバンカーのプレッシャーが 4番(右)/距離が長いだけでなく、グリーン形状も難しい

3番(左)/安全第一で左から攻めると、ガードバンカーのプレッシャーが
4番(右)/距離が長いだけでなく、グリーン形状も難しい

No.5・570Y・Par5
Hole O' Cross(Out)

ようやく訪れたチャンスホール。ティーショットが上手くいけば、セカンドショットでグリーンが狙えるのでイーグルが出る可能性も。追い風なら多くの選手が2オンを狙ってくるでしょう。アゲンストや左からの風があると少し難しくなりますが、それでもチャンスホールであることには変わりありません。左サイドはかなり広く、右サイドに7つのバンカー群。ただグリーンは手前と奥のダブルグリーンで、タテの距離が実に108ヤードと長く、ピンポジションによって持つクラブも大きく変わります。グリーン手前には大きな谷。これは当然、避けなければなりませんが、ピンが手前に切られるとダウンスロープで巨大グリーンの奥まで転がっていく危険性もあります。

No.6・414Y・Par4
Heathery(Out)

13番と共有のフェアウェイですが、真ん中にバンカー群が配されています。これを避け、フェアウェイキープは絶対条件。グリーンの入口から約10ヤードは、かなり受けていて、傾斜で手前に戻ってきてしまいます。さらに、フェアウェイとグリーンの芝生の種類が同じため、その境目がわからず、落としどころが難しい。ただ、10年大会では、バーディも数多く出ています。

画像: 5番(左)/アウトイチのチャンスホール。大きなグリーンでイーグルも狙える 6番(右)/フェアウェイ中央のバンカー群の右サイドが落とし所

5番(左)/アウトイチのチャンスホール。大きなグリーンでイーグルも狙える
6番(右)/フェアウェイ中央のバンカー群の右サイドが落とし所

画像: my-golfdigest.jp
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