「オールドコースで気をつけなければいけないのは〝風〟と〝バンカー〟」だと、97年ダンヒルカップと00年全英オープンで実際にオールドコースをプレーしている佐藤信人プロ。オールドコースを知り尽くしている男が、インの13番~18番を徹底解説!

No.13・465Y・Par4
Hole O'Cross(In)

長さもありますが、風向きによって打つ方向がまったく違って、ティーイングエリアから見えるバンカーに対し、日によって右、左と打ち分けた記憶があります。右サイドよりも左サイドのほうがセカンドショットのアングルがよくなることと、突き抜けてラフに入っても、思うほど難しくはなく、残り距離も短くなるので左サイドを狙う選手が多いはずです。バンカーよりラフの方が断然いい、と思わせるのもオールドコースならでは。10年、15年大会とも17番に次ぎ難度2位でした。

No.14・614Y・Par5
Long

14番で遠くにうっすらと建物が見えると「ようやくここまで辿り着いたか」という思いと、なかなか近づいてこない建物に「まだまだ、そんなにあるのか」との思いが交錯します。とくにインがアゲンストになると疲れがどっと出て後者の思いが強くなるでしょう。14番から16番は右サイドがOB。ティーショットでフェアウェイをとらえたら、セカンドショットの課題は「ヘルバンカー」、〝地獄のバンカー〟と呼ばれる三日月形のバンカーには絶対につかまらないこと。右も左も真ん中も、とにかく壁が高く、絶対に入れてはならないバンカーです。もっとも最近の選手は飛ぶので軽々と越えてくると思いますが、やはりティーショットの正否がカギになります。グリーンは奥行きがあまりなく、3打目の距離感が難しいだけでなく、傾斜も複雑です。

画像: 13番(左)/難度の高いホールで、中央のバンカー左が狙い目 14番(右)/2オンを逃したときの3打目の距離感が大切 イラスト/庄司 猛

13番(左)/難度の高いホールで、中央のバンカー左が狙い目
14番(右)/2オンを逃したときの3打目の距離感が大切
イラスト/庄司 猛

No.15・455Y・Par4
Cartgate(In)

距離は長く、フェアウェイが狭いうえに、フェアウェイセンターには、バンカーが配置されています。左右に大きな2つの土手があり、フェアウェイ中央のフラットな所に刻むのがセオリー。ただし、風によってFW、UT、アイアンとクラブ選択が難しい。また左右とも広いのですが、左に逃げるとグリーンを狙うアングルが悪くなります。

No.16・418Y・Par4
Corner of the Dyke

15番とよく似たレイアウトになっており、ここも左に逃げれば逃げるほど2打目のアングルが悪くなります。15番に比べて距離は短いのですが、グリーンが小さく、しかも傾斜がきつい。左に逃げれば逃げるほど手前のバンカーがラインに重なり、このバンカーから奥に向かって傾斜するグリーンはボールも止まりにくい。さらにグリーンとOBが近く、左に行けば行くほどセカンドショットはOBに向かって打つことになるため、プレッシャーがかかります。

画像: 15番(左)/飛ばすより距離のコントロールが重要 16番(右)/右サイドがOBでプレッシャーになる

15番(左)/飛ばすより距離のコントロールが重要
16番(右)/右サイドがOBでプレッシャーになる

No.17・495Y・Par4
Road

ようやく戻ってきたかと思えば、待ち受けるのが大勢のギャラリーとホテル越えが求められるティーショット。風向きと握るクラブによって、壁にある「OLD COURSE HOTEL」のどの文字、どの高さを狙うかを決めます。右に行き過ぎるとOB、でもホテルには打ち込みたくない、という思いがあるので、つかまって左のラフというのがありがちなパターン。以前は誰も2オンを狙わず、とにかくバンカーを避け、2打目はバンカーの右手前がセオリーでした。しかし、最近の選手は飛距離が出るのでセカンドショットがショートアイアン。「世界のトップ100コース」に設計した6コースがランクインしている設計家トム・ドークによれば、「唯一、飛距離がプラスに働き、かえって面白くなったホール」と解説している。グリーンに食い込むようなロードバンカーは、数多くのドラマを作ってきた。78年の中嶋(常幸)さんが9打を叩いたことは有名ですが、00年大会でもデビッド・デュバルが最終日最終組で8打を叩き、同じ最終組のタイガーが初優勝。見ているぶんには楽しいのですが、入れてはいけないバンカーです。

No.18・356Y・Par4
Tom Morris

数々のドラマを生んだ最終ホールですが、距離も短ければバンカーもありません。今の時代では考えられないほどやさしい設計。ここまで数々の試練を乗り越えてきたゴルファーを、ホームで温かく迎えてくれる、ということかもしれません。その真相はホールの名前にもなっているオールド・トム・モリスに聞かなければわからないでしょう。もっとも、グリーン手前には、バリー・オブ・シン(罪の谷)と呼ばれる深い窪地があり、セカンドはこれを越えていかなければならず、少しでもショートすれば谷の底。ジョン・デーリーが優勝した95年大会では、優勝争いをしていたコスタンティノ・ロッカが、まさかのザックリで「罪の谷」に。しかし、そこからパターでねじ込みプレーオフに持ち込んでいます。この谷はクラシックデザインの原型で、この形状をグリーンに持ち込んだのがフランスの名門ビアリッツだといわれています。

画像: 17番(左)/かつてはグリーン右手前がセオリーだったが、飛距離の伸びた現在ではグリーンを狙って止められる 18番(右)/「ビアリッツグリーン」の原型となった〝罪の谷〟はしっかり越えたい

17番(左)/かつてはグリーン右手前がセオリーだったが、飛距離の伸びた現在ではグリーンを狙って止められる
18番(右)/「ビアリッツグリーン」の原型となった〝罪の谷〟はしっかり越えたい

画像: www.golfdigest-minna.jp
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画像: my-golfdigest.jp
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