プレーしていて、これから打つショットや、これからプレーするホールについて不安や苦手意識を感じることはゴルファーなら誰しもあることでしょう。
「うわあ、最悪! 目玉だよ!」
「あー左足下がり、チョロするイメージしかない。」
「なんだかやたらとOB杭が目に入るな・・」
こうした時、感じた気持ちを胸の中にしまっておくか、それとも口に出してしまうか、これによって結果が大きく左右することをご存じですか?
日本では古来、「言霊=ことだま」と言って、人が発する言葉には神秘的な霊力があり、発した言葉通りの結果が現れると考えられてきました。いい言葉だけを使っていればいい未来に導かれ、悪い言葉を使うと悪い結果になる。
その思想に基づくのが、いわゆる「忌み言葉」。例えば、死に通ずる4という数字を避けたり、「ヒゲを剃る」という時に「剃る」が「お金をする」の「する」と重なることから「ヒゲを当たる」と言い換える、など、昔の人は意識して悪い言葉、不吉な言葉を避け、災いを避けようとしてきたのです。
こうした「言霊」という概念はスポーツの世界でもよく言われていて、プレーの際、不安な気持ちや、起きて欲しくない結果を口にすると、その言葉に引っ張られるようにパフォーマンスに悪影響を及ぼすと言われています。それはゴルフの世界にも当てはまるようです。みなさんはそんな経験ありませんか?
「うわあ、このホール、見るのも嫌だ。左の谷にいくつボールを落としたことか・・」
「この前、このバンカーからホームランしてOBやらかしたんだよなあ」
こうしたことを口にしてしまうことで、同じようなミスを繰り返したり、さらにひどい結果になったり……。ネガティブワードを口にすると、ミスを恐れる意識が高まり、筋肉が硬直しミスを誘発してしまう。打ち直しの利かない一回勝負のゴルフゲームでは、「言霊」の影響は特に大きい、と言える。そうした「言霊の呪縛」から逃れるにはどうしたら良いのでしょう?
こうした時、対処の上手いプロや上級者は、胸の中ではどんなに不安に思っていても決して口には出さずにグッとこらえ、必要ならネガティブワードをポジティブワードに変換し、気持ちをポジティブな方に転換することが出来ます。
私たちの脳は、「○○するな」という命令には従いにくく、「○○しよう」という肯定的な命令には従いやすいということを知っているからです。先ほどの例でいうと、「(左の谷を避けよう)ではなく、「狙いは右のラフ。ちょっとドローがかかれば最高、ラフでもOK」などと目標を具体的に定めて、自分の打つ球筋をしっかりイメージ出来るワードを選択します。
バンカーからのホームランでも、怖いと思ってもそんな言葉は口に出さず、「お、前回のリベンジが出来るチャンスだ。ラッキー!」などと、ピンチを楽しむ心境を創り出してしまいます。こうした変換テクニックはすぐには身に付かないかも知れませんが、とにかく「ネガティブワードを口に出さずにプレーする。」これだけでも意識してみて頂けたらと思います。
そうそう、打つ前だけでなく、打った後のネガティブワードにも要注意。ポジティブなプレーを心掛ければもっとゴルフを楽しめるハズですよ!