多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新ギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はスリクソンZX5 MkⅡドライバー。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: ●ヘッド/Super-TIX 51AFチタン(フェース)、Ti-811Plus(ボディ)●ロフト角/10.5度 ●ライ角/58.5度 ●ヘッド体積/460cc  価格(税込)/7万9200円 ※すべてメーカー公表値

●ヘッド/Super-TIX 51AFチタン(フェース)、Ti-811Plus(ボディ)●ロフト角/10.5度 ●ライ角/58.5度 ●ヘッド体積/460cc  価格(税込)/7万9200円 ※すべてメーカー公表値

発表前には尾関彩美悠、山下美夢有が、発表後には星野陸也が優勝し、国内男女ツアーで契約プロの好成績に貢献している『スリクソンZX5 MkⅡ ドライバー』を紹介する。

早速、クラブとヘッドを計測していく。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトはメーカー純正の『Diamana ZX‐Ⅱ50(フレックスS)』。計測値はすべて実測値になる。クラブ重量は302.0gと標準的だが、クラブの長さが45.5インチとやや長く、スウィングウェイトもD2.8とやや大きい。そのためクラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが292万g・㎠と大きくなり、この数値だと本来はドライバーのヘッドスピードが46m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計になっている。

ヘッドは横幅が広めのオーソドックスな丸型形状で、ツアーモデルらしくフェースアングルは1度オープン。前モデルの『ZX5』はヘッドの後方が低いシャローバック形状だったが、『ZX5 MkⅡ』ではヘッドの後方が高めの比較的ハイバック形状に変わり、インパクト付近でレベルにスウィングしやすく、厚いインパクトをイメージできる。また、フェース面のバルジ(トウ・ヒールの丸み)は少なく、前モデルを踏襲している。

実際に試打したが、オープンフェースで、ライ角度も58.5 度とアップライト過ぎず、また、フェース面のトウ先には逃げ感もあり、アドレスで球をつかまえ過ぎるイメージはない。メーカー純正シャフトは軟らかめだが、インパクトの再現性はいい感じで、ヘッドスピードが40m/sくらいのゴルファーなら、このSフレックスで十分だろう。

前モデルは39.6ミリだったヘッドの重心深度が43.2ミリとかなり深くなり、かつヘッドの後方が高いハイバック形状になったためフェース面のスイートスポット位置がかなり高くなっている。その結果、バックスピンは入りやすく、弾道は安定しやすい。また、普段から低スピン過ぎて球がドロップしやすいゴルファーにとって、スピンが適度に入るためキャリーが出やすくなるという恩恵を受けられそうだ。

前モデルが8112g・㎠だったヘッドのネック軸周り慣性モーメントは8825g・㎠と大きくなり、ダウンスウィングでのヘッドの返りがより緩やかで、これを生かして球をつかまえ過ぎない、高めのフェード系弾道が打ちやすくなっている。

今回は前モデルと違ってモデルごとに特徴が出ているので、『ZX7 MkⅡ』や『ZX5 MkⅡLS』も含めて、すべて試打して自分に合う1本、飛ぶ1本を選ぶのがいいだろう。

画像: SS高さが38.3ミリと非常に高い(写真上)。ある程度スピンが入り、その分、弾道が安定する。ヘッド重量が200.6gと重いので、しっかりインパクトできると強い球で飛距離が出やすい

SS高さが38.3ミリと非常に高い(写真上)。ある程度スピンが入り、その分、弾道が安定する。ヘッド重量が200.6gと重いので、しっかりインパクトできると強い球で飛距離が出やすい

これがZX5 MkⅡの計測データだ!

画像: 低重心率とは「重心高さ÷フェース高さ×100」の数式で表され、数値が小さいほど低重心となり、低スピンになりやすい

低重心率とは「重心高さ÷フェース高さ×100」の数式で表され、数値が小さいほど低重心となり、低スピンになりやすい

※週刊ゴルフダイジェスト22年11月29日号「松尾好員 責任計測×責任分析 ヘッドデータは嘘つかない!」より

ゼクシオやスリクソンの各ヘッドデータが比較できる、ダンロップ ドライバー図鑑はこちら

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