日本向けに開発された『グローレ』の新作で、標準モデルの『ステルス グローレ』との違いは、弾道調整機能が付いていること。そのおかげで、自分好みのシャフトを合わせられるゴルファーが増えているという。
では、クラブとヘッドを計測していこう。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドのロフト角は10.5度、シャフトはメーカー純正の『フジクラ スピーダーNX for TM(フレックスS)』で、記載数値はすべて実測値だ。クラブ重量282.1gと軽く、これは標準モデルの『ステルス グローレ』と同じだが、クラブ長さが45 ・38 インチと1/8インチ短い。また、スウィングウェイトもD2.3と標準モデルよりも小さいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが285万g・㎠ と標準モデルよりも小さくなり、ドライバーのヘッドスピードが42m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計になっている。
標準『ステルス グローレ』と同様に前モデル『SIM グローレ』の雰囲気を継承した形状で、時計の文字盤でいう12 時方向のトウ先が出ていて、全体としては縦長形状に見える。標準モデルはライ角が60.0度、フェースアングルが1.0 度オープンという設計だが、『プラス』のライ角は56.0度、フェースアングルは0.5度フックで、アドレスした瞬間に、まったく違う印象を受けた。また、ヘッドの特徴としていわゆる“カチャカチャ"付きということは外せない。
実際に試打したところ、シャフトは『SIM グローレ』よりも少ししっかりした感があるが、トルクを感じられ、ヘッドスピードが40m/sまでのゴルファーならこのシャフトをまず試してみるといいだろう。ステルスの名が冠してあるようにカーボンフェースで、FP値(フェースプログレッション)が大きくなり、かつリアルロフト角設計が11.9 度と大きいので球は上がりやすい。標準モデル同様に適度なスピンも入るので、ヘッドスピードが35 m/s前後のあまり速くクラブが振れないゴルファーでも、球がドロップしにくくなっている。打音はカーボンフェースなので低く感じる。標準モデル(重心距離45.1ミリ、重心深度41.0ミリ)に比べ、重心距離が41.7ミリと短く、また重心深度も40.2ミリと浅くなっているので、ヘッドのネック軸周りの慣性モーメントが7619g・㎠(標準モデルは8398g・㎠)と小さくなっている。そのためダウンスウィングでヘッドのローテーションを入れながらスウィングしたいゴルファーに合っていて、標準モデルよりも球をつかまえやすい印象を受けた。
これがステルス グローレ プラスの計測データだ!
※週刊ゴルフダイジェスト2022年1月3日号「松尾好員 責任計測×責任分析 ヘッドデータは嘘つかない!」より