多くのクラブを手掛けてきた設計家・松尾好員氏は「クラブ選びは重心選び」と表現する。最新のギアを計測・分析するなかで、注目データをピックアップし、読み解く。今回はテーラーメイド「ステルス グローレ プラス」ドライバー。クラブ選びの参考にどうぞ!
画像: 【試打クラブスペック】●ロフト角/10.5度 ●ライ角/56度 ●ヘッド体積/460㏄ 価格(税込)/10万1200円 ※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】●ロフト角/10.5度 ●ライ角/56度 ●ヘッド体積/460㏄ 価格(税込)/10万1200円 ※すべてメーカー公表値

日本向けに開発された『グローレ』の新作で、標準モデルの『ステルス グローレ』との違いは、弾道調整機能が付いていること。そのおかげで、自分好みのシャフトを合わせられるゴルファーが増えているという。

では、クラブとヘッドを計測していこう。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドのロフト角は10.5度、シャフトはメーカー純正の『フジクラ スピーダーNX for TM(フレックスS)』で、記載数値はすべて実測値だ。クラブ重量282.1gと軽く、これは標準モデルの『ステルス グローレ』と同じだが、クラブ長さが45 ・38 インチと1/8インチ短い。また、スウィングウェイトもD2.3と標準モデルよりも小さいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが285万g・㎠ と標準モデルよりも小さくなり、ドライバーのヘッドスピードが42m/sくらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計になっている。

標準『ステルス グローレ』と同様に前モデル『SIM グローレ』の雰囲気を継承した形状で、時計の文字盤でいう12 時方向のトウ先が出ていて、全体としては縦長形状に見える。標準モデルはライ角が60.0度、フェースアングルが1.0 度オープンという設計だが、『プラス』のライ角は56.0度、フェースアングルは0.5度フックで、アドレスした瞬間に、まったく違う印象を受けた。また、ヘッドの特徴としていわゆる“カチャカチャ"付きということは外せない。

 実際に試打したところ、シャフトは『SIM グローレ』よりも少ししっかりした感があるが、トルクを感じられ、ヘッドスピードが40m/sまでのゴルファーならこのシャフトをまず試してみるといいだろう。ステルスの名が冠してあるようにカーボンフェースで、FP値(フェースプログレッション)が大きくなり、かつリアルロフト角設計が11.9 度と大きいので球は上がりやすい。標準モデル同様に適度なスピンも入るので、ヘッドスピードが35 m/s前後のあまり速くクラブが振れないゴルファーでも、球がドロップしにくくなっている。打音はカーボンフェースなので低く感じる。標準モデル(重心距離45.1ミリ、重心深度41.0ミリ)に比べ、重心距離が41.7ミリと短く、また重心深度も40.2ミリと浅くなっているので、ヘッドのネック軸周りの慣性モーメントが7619g・㎠(標準モデルは8398g・㎠)と小さくなっている。そのためダウンスウィングでヘッドのローテーションを入れながらスウィングしたいゴルファーに合っていて、標準モデルよりも球をつかまえやすい印象を受けた。

画像: リアルロフト角が11.9度と大きい。また重心深度が標準モデルよりも浅いので、スイートスポット高さが標準モデルより約1ミリ低い36.1ミリ。それでも、低重心率は64.0%とやや高重心で適度なスピンが入る

リアルロフト角が11.9度と大きい。また重心深度が標準モデルよりも浅いので、スイートスポット高さが標準モデルより約1ミリ低い36.1ミリ。それでも、低重心率は64.0%とやや高重心で適度なスピンが入る

これがステルス グローレ プラスの計測データだ!

画像: ※低重心率とは「重心高さ÷フェース高さ×100」の数式で表され、数値が小さいほど低重心となり、低スピンになりやすい

※低重心率とは「重心高さ÷フェース高さ×100」の数式で表され、数値が小さいほど低重心となり、低スピンになりやすい

※週刊ゴルフダイジェスト2022年1月3日号「松尾好員 責任計測×責任分析 ヘッドデータは嘘つかない!」より

各ドライバーのヘッドデータが比較できる、テーラーメイド ドライバー図鑑はこちら

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