PGAツアーのアジア圏マーケティングディレクター、コーリー・ヨシムラさんがチョイスした記事や選手たちの知られざるインサイドストーリーをご紹介。今回は今や語り草にもなっている、昨年のハワイで見せた、松山英樹のハイフェード。

ハワイ2連戦を終えたPGAツアーは舞台をカリフォルニアスウィングに移します。首の痛みから回復した松山英樹は、どの大会でも優勝候補に推されていますが、なぜ彼が強豪ぞろいのPGAツアーで優勝候補に名を連ねるのでしょう? それは22年に大逆転優勝を飾ったソニー・オープン・イン・ハワイにあります。最終日に5打差をつけられながら、最終ホールのバーディで並びプレーオフへ。そこで松山英樹の底力を改めて知らしめたのが2打目の3Wのショットでした。

画像: 2021ソニーオープンのプレーオフ、松山英樹の2打目。ハイフェードでピンの根元へ、トッププロをもうならす1打だった

2021ソニーオープンのプレーオフ、松山英樹の2打目。ハイフェードでピンの根元へ、トッププロをもうならす1打だった

松山英樹のポテンシャルは群を抜いている

「フェードはいつでも打てるので、持ち球をドローに替えている」という松山のティーショットは曲がりの少ない見事なドローボール。そして2打目はイメージをガラリと変えた3Wの高いフェードでグリーンをとらえ、イーグルを奪って栄冠に輝いたのでした。PGAツアーパフォーマンスセンター(TPCソーグラス)のトップ、トッド・アンダーソン氏は「ドローとフェードを自在に打ち分けたヒデキのポテンシャルは群を抜いている」と絶賛。特にグリーンをとらえた松山英樹のセカンドショットはトッププロをうならせる最高の1打だったといいます。そのショットを打つためのポイントを彼はこう説明します。

「まず、ボールを左足かかとの延長線上に置き、上半身を少し右に傾けます。そうすることで球の高さを出しグリーンでソフトにボールを止める準備が整います。2番目に重要なのはアドレスの向き。体をターゲットよりやや左に向けて構え、クラブフェースはターゲット方向にセット。これで球は体が向いている方向に飛び出しターゲットに戻ってきます」

「3番目はどう振るか。クラブを体に沿って振り、スウィング中クラブフェースをオープンにした状態をキープします。4番目は左手の甲とクラブフェースの動き。甲とフェースは返さずに空に向けます。クラブのトウがヒールを追いこさないことが重要。つまりフェースを返さないで打つことで、ボールを左から右にゆるやかに曲げる理想のフェードが打てるのです」

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もちろん試してみる価値はありますが、プロでさえ難しい“完璧な松山流ハイフェード”を極めるには相当な鍛錬が必要でしょう。

2023年週刊ゴルフダイジェスト1月31日号より(Arrange/Mika Kawano、Photo/Blue Sky Photos)

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