テストしたその場で、「今から使いたいです」
磨きがかかった安定感を支える1本が、昨年7月のニッポンハムレディスから使っているブリヂストンのB3 SDドライバーだ。ちなみに昨年は替えた直後、8月のスコットランド女子オープンでツアー初優勝を達成した。
実はこのドライバー、昨年7月に試打したその場で、「このまま、今から使わせてください」と古江彩佳が決めて、即決投入した1本で、ソールに貼った鉛以外、微細なカスタム調整をまったく施していない。
「店頭モデルずばりそのまんま」ですとは、ブリヂストンのクラブ担当の言葉。「打ってみたら、弾道が明らかに一段高くって、直進力の強さにもメリットを感じたんです。キャリーも少し伸びていました。ピピっときて、テストの1球目で決めました!」とは本人。
クラブ担当に補足してもらうと、「古江プロはもともとドライバー以外も、クラブ全般的につかまりのいいヘッドで、つかまるイメージの顔が好みです」
「このまま使うことを決めた後、ネックの調整機能でさらに好みの顔と弾道を探っていった結果、アップライトなUポジションで使用しています」
ネックのUポジションは、9.5度のロフトは変わらずにライ角のみノーマルよりも2度アップライトになる設定。ソールの鉛も、つかまりを良くするヒール寄りに貼ってある。シャフトは中調子で振り抜きやすく、女子プロに人気のスピーダーNX(50-S)を挿している。
B3 SDドライバーの平均飛距離は246ヤード
使い始めた昨夏から現在にかけての、米ツアーでの平均飛距離は246ヤード。フィールドは違うが一昨年の国内データは233ヤード。データが示す通り、無理なく自然な流れで飛距離アップに成功したようだ。まさに〝運命の1本〟だ。
3Wと7Wは、ブリヂストンのツアーB JGR。3WのJGRは2019年モデル、7WのJGRは2017年モデル。
JGRモデルは、ブリヂストンのなかでつかまりの良さに特化したシリーズで、ドライバーから使い心地の流れも良さそうだ。シャフトはスピーダー569のエボリューションⅣ。
4UはツアーB JGR、6UはテーラーメイドのSIMⅡ MAX。JGRの顔を見ると、オフセットが強く、いかにもつかまりそうなイメージで180~190ヤードを狙う武器。ロフト28度のSIMⅡ MAX、2本ともシャフトはMCHの60-Sを挿している。
エースパターのスパイダーXで現在5勝
ウェッジの3本は、BRM2ウェッジとMCIシャフトのSOLID85の組み合わせで、今シーズンのスタートから使い出したもの。「スピン性能が高く、チップショットから50ヤード以内のショットに優位性を感じました」と、これもテスト時点で即投入。
パターは、スパイダーXチョークホワイト ツアープロト。2年前の富士通レディースでこのスパイダーXに替えて、その試合で優勝。それ以来、このスパイダーXで5勝を挙げている。
全体の飛距離が伸び、先日のドライブオン選手権では、最終日に65を出すなど、安定感に爆発力も発揮し始めている。米ツアーの2勝目も近そうだ。
12本がブリヂストンのクラブ
1W/ブリヂストン B3SD ドライバー(9.5度)・スピーダーNX(50S)
3W/ブリヂストン ツアーB JGR 2019年モデル (15度)・スピーダー569 エボリューションⅣ FW(S)
7W/ブリヂストン ツアーB JGR 2017年モデル(21度)・スピーダー569 エボリューションⅣ FW(S)
4U/ブリヂストン ツアーB JGR 2017年モデル(22度)・MCH(60-S)
6U/テーラーメイドSIMⅡMAX・MCH(60-S)
6I~PW/ブリヂストン ツアーB X-CB アイアン・MCI(80-S)
AW~SW/ブリヂストン BRM2 ウェッジ (50度・54度・58度)・MCI(SOLID85)
PT/スパイダーXチョークホワイト ツアープロト(3度)
BALL/ブリヂストン ツアーB XS
※スペックは編集部調べ(4月12日時点)
※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月18日号より(PHOTO/Tadashi Anezaki)