宝塚ゴルフ俱楽部は、1927年設立。以来、ずっと守り続けているのが「大衆に低廉なゴルフを」。その心意気を感じさせる出来事があった。
画像: 宝塚ゴルフ倶楽部、旧コース。17番ホール、パー5

宝塚ゴルフ倶楽部、旧コース。17番ホール、パー5

若手プロを集め「宝塚カップ」をボランティア開催

宝塚ゴルフ倶楽部は関西で5番目に古いゴルフ場だ。歴史は後述するとして、同倶楽部ではこのたび若手プロゴルファーを集めた「宝塚カップ」を開催した。

年齢35歳以下を条件に、48名のプロが出場、賞金は優勝が100万円、2位が50万円、3位が25万円。選手のプレーフィーや賞金などは、宝塚ゴルフ倶楽部の10名の世話人会がすべて負担し、運営も同世話人会がボランティアで行った。

画像: 大会は福岡大河選手が優勝。賞金100万円を手にした

大会は福岡大河選手が優勝。賞金100万円を手にした

いわば“手弁当”で若手プロにエールを送った。この大会の趣旨を世話人代表で宝塚ゴルフ倶楽部理事長でもある塩谷眞治氏は、「男子プロゴルファーは試合数の減少などで、技術向上の機会が減っています。夢を持って、この世界に飛び込んだ若者に少しでも切磋琢磨する場を設けることは、当倶楽部創設以来の趣旨に沿うことです」

宝塚ゴルフ倶楽部設立当時の入会金は破格の30円

画像: 宝塚ゴルフ倶楽部のクラブハウス。今も残る暖炉が有名

宝塚ゴルフ倶楽部のクラブハウス。今も残る暖炉が有名

宝塚ゴルフ倶楽部は、1926年、宝塚ホテルに付設した3ホールで開場。設計はプロ第1号の福井覚治。1927年に9ホールとなり、設計は同倶楽部のての親というべき広岡久右衛門が引き継ぎ、ゴルフ場をホテルから独立させた。

広岡は、「大衆に低廉なゴルフをさせたい」というのが持論であった。1923年設立の名門・茨木カンツリー倶楽部の入会金が500円の当時、わずか30円という破格の低廉募集だった。

この精神は、プロを育てる土壌にもつながった。故島田幸作や大迫たつ子らが宝塚ゴルフ倶楽部より羽ばたいた。

2026年に100周年。日本女子オープンを開催予定

画像: 宝塚ゴルフ倶楽部、旧コース12番。日本女子オープンの開催に向けて改修を進めている

宝塚ゴルフ倶楽部、旧コース12番。日本女子オープンの開催に向けて改修を進めている

同倶楽部は2026年に開場100周年を迎えるにあたり、日本女子オープンの会場となることを決定。大会セッティングのための改修に余念がない。伸びすぎた樹木を伐採して芝の成長を促し、バンカーの移設で戦略性を高めている。

「現在の女子プロの飛距離は大変なものです。それに合わせたコースセッティングをJGAとすり合わせしながら作業を進めているところです。またさらに力を入れているのは、芝目を立てて速さ、転がりとも均質なグリーンを造っていくことです」(総務部課長、藤田明宏氏)

「大衆にゴルフを」の想いとともに、同倶楽部の挑戦は続いている。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月25日号より

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