チームテーラーメイドスタッフの貴重な経験になった
今季からチームテーラーメイドに加わったネリー・コルダ。彼女のクラブフィッティングに携わったのテーラーメイドツアー担当、ライアン・レッサに話を聞いた。
「ドライバーをネリーとフィッティングしていく過程は、ツアーチームにとって貴重な経験になりました。ネリーはすべてのティーショットで視線の1~2ヤード右に飛び出していき、3~5ヤード左に戻ってフェアウェイに落ちる、という出球と弾道のショットを打ちたいと思っています」
「当初、ステルス2 プラスでテストを始めたのですが、実は真っすぐ飛びすぎていたんです。ほとんどのゴルファーはストレートボールを打ちたいと思いますが、ネリーは違いました」
「彼女のなかでは、最高のゴルフをするにはしっかりしたドローボールが絶対条件だと思っています。そして、他の世界最高峰の選手と同様、彼女はとても几帳面です。球は左に出てはいけないし、左へ強く曲がるのもいけません。ストレートな出球での軽いドローボールでもダメです」
「彼女が抱いているのは、右へのラインから弾道がスタートして、ゆるやかに左へ戻ってくる球筋。それが、この調整過程をとても興味深くした理由です」
「そのフィードバックを受けて、ネリーのニーズに合うドライバーを見つける作業が始まりました。彼女に合うと見込んだのはステルス2 HD。もともとヒールウェイトが大きいヘッドですが、(本社の)カールスバッドチームは、さらにドローバイアスを強めていく作業を進めました」
ネリー・コルダにとって真っすぐはミスショット
「右から左へのスピンを維持しながら、出球が確実に右から始まる魔法の公式を見つけなければなりませんでした。ネリーはフェードに対して強い嫌悪感を抱きます。ティーショットがフェードしたり、真っすぐ飛んだりすると、ほぼ間違いなくミスショットと感じます」
「ドローがほぼ確実に出るよう2 HDのヘッドにドロー要素を高める調整を重ね、さらにシャフトを替えて球のつかまりを強め、ライ角を変えてネリーがフェースのトウ寄りで打ちやすいように工夫していきました」
「最終的に、ネリーが思い描く弾道を満たすドライバーとなり、以前使っていたクラブよりもやや低い弾道で、より遠くに飛ばせる一本となったのです」(ツアーマネージャー/ライアン・レッサ)
その組み合わせが、トッププレーヤーとしては珍しいステルス2 HDにヴァンキッシュを挿したドライバー。ヴァンキッシュは手元側がソフトで径も細めのアスリート仕様ではないモデル。先端カットで長さは45 3/16インチだという。
フェアウェイウッドもドローが打ちやすいステルス2 HD
3Wと7Wも、ステルス2 HD。この2本はベンタスシャフトを挿すが、3Wは飛距離重視のベンタスレッド。7Wはコントール重視のベンタスブラック。
5Iと6Iは、P770アイアン。170~190ヤードの距離からピンを狙うために高さの出る中空タイプのP770を使う。シャフトは畑岡奈紗など女子プロに使用者が多いスチールファイバーi。
7IからPWは、P7MCアイアン。コンパクトなヘッド形状と薄めのソール幅によって抜けが良く、コントロール性能に長けるモデルだ。P770とのコンボだが、同じP700シリーズなので、構えた時の顔の流れは好相性だ。
3本のウェッジは、ロフト50度がテーラーメイドMG3クロームウェッジのスタンダードバウンス。54度は同モデルのハイバウンス。58度は昨年から引き続きボーケイSM9を使う。
パターはスコッティ・キャメロンのスペシャルセレクト・スクエアバック2を長く愛用している。ボールはTP5。TP5xよりもフェースに乗る時間が長く、これもドローが打ちやすいツアーボールだ。
ドライバーからシャフト、ボールまで、世界ランキング2位のギアはドローボール要素満点。ギア選びは人それぞれではあるものの、球がつかまらない悩みを抱えるゴルファーの参考になるセッティングだ。
クラブもボールも“ドロー弾道”仕様
1W/ステルス2 HD ドライバー(9度)・ヴァンキッシュ(6S)
3W/ステルス2 HD フェアウェイ (15度)・ベンタスレッド(7S)
7W/ステルス2 HD フェアウェイ (21度)・ベンタスブラック(7S)
5U/ピン G425 ハイブリッド(26度)・ベンタスブルーHB(7S)
5I~6I/テーラーメイド P770 アイアン・スチールファイバーi80(S)
7I~PW/テーラーメイド P7MC アイアン・スチールファイバーi80(S)
AW/テーラーメイド MG3 クロームウェッジ (50度・54度)・スチールファイバーi95(S)
SW/ボーケイ SM9 Tグラインド・スチールファイバーi95(S)
PT/スコッティ・キャメロン スペシャルセレクト スクエアバック2
BALL/テーラーメイドTP5
※スペックは編集部調べ(4月19日時点)
※週刊ゴルフダイジェスト2023年4月25日号より(PHOTO/Tadashi Anezaki)
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