トム・ワトソンやベン・クレンショーが会員に名を連ねている、スコットランドの名門、ロイヤルドーノック ゴルフクラブが、ゴルフカートにAED(心臓救命装置)を搭載したという。

AEDと救急キットを投入したのはロイヤルドーノック ゴルフクラブ

画像: ロイヤルドーノック ゴルフクラブ

ロイヤルドーノック ゴルフクラブ

「ロイヤルドーノック ゴルフクラブは、全カートにAEDと救急キットを装備した、おそらく世界で最初のゴルフ場となったのではないか。そして、他のゴルフ場がこれに続くのにさほど時間がかからないことを願っている」と英ビジネス誌に語ったのは、元軍事訓練士でゴルファーでもあるデビッド・サリバン氏。

同氏はAEDがあれば助かったかもしれない親しい友人を亡くしたことをきっかけに、3カ月かけて英国の最南端から最北端までゴルフ場で募金活動行脚をして約4万人に心肺蘇生法を教え、AEDの必要性と普及キャンペーンを行った。

このキャンペーンの成果で、クラブハウスにAEDを装備するゴルフ場は増えていったが、サリバン氏自身は、「ありがたいことだが、クラブハウスだけでは実はじゅうぶんではないんだ」と指摘。

メンバーやゲストにやさしい名門倶楽部

心停止した場合、最初の3分以内に蘇生措置を取ると生存率は70%となるが、1分遅れるごとに生存率は10%ずつ落ちていくと言われている。サリバン氏によれば、英国では年間3万件以上の心停止があり、その生存率は8%弱だという。

画像: AEDと救急キットをカートに搭載したことを報告。ロイヤルドーノック ゴルフクラブのGM(前面)とスタッフたち(Ph/同クラブのホームぺージより)

AEDと救急キットをカートに搭載したことを報告。ロイヤルドーノック ゴルフクラブのGM(前面)とスタッフたち(Ph/同クラブのホームぺージより)

つまり、身近にAEDがあればあるほど、生存率は大幅に上がっていく。この呼びかけに賛同したのがロイヤルドーノック ゴルフクラブだった。サリバン氏協力のもと、同倶楽部が所有する各ゴルフカートにAEDを装備した。

各カートといっても、昔ながらの“歩きゴルフ”が主流なので、全カート搭載といっても6台ほど。それでも、カートを使ってプレーするゴルファーは、持病を抱えるメンバーや高齢のゲストがほとんどなので装備した価値は高い。

ロイヤルドーノック ゴルフクラブは、1877年に設立の英国内でも長い歴史をもつ倶楽部のひとつ。メンバーやゲストのために積極採用していくところは、さすが名門の所以だろう。

高齢化が進む日本、ゴルフ場での採用が進み、普及していくことに期待したい。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年5月9・16日合併号より。※2023年5月1日18時31分、記事題と本文一部、修整しました。

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