オーソドックスなヘッド形状の長尺ドライバー
ゴルフクラブに求めるのは「力学的優位性」と「そのプレーヤーに応じた振りやすさ」というフォーティーン。その最新ドライバー『ゲロンD DX‐001』を紹介する。
試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角9.0度、シャフトは純正『FT‐50dカーボンシャフト(S)』仕様。掲載数値はすべて実測値になる。
クラブ長さが46.5インチと非常に長い長尺クラブ(60度法計測で46.75インチなので、46インチローカルルールには不適合)だが、クラブ重量が291.9gとやや軽く、しかもスウィングウェイトもC8.0と小さいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが286万g・㎠に抑えられている。この数値であれば本来はドライバーのヘッドスピードが42~43m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振れる設計といえる。
全体にオーソドックスなヘッド形状だが、時計の文字盤でいう1時方向の張り出し感があり、また横幅が広くないので、アドレスではやや縦長形状イメージが出ている。
つかまるイメージが強いヘッドと、しっかりしたシャフト
実際に試打したところ、アドレスでは「さすがにクラブが長い」と感じるが、61.5度と超アップライトなライ角と、フェースアングルが1.0度フックの少しフックフェースで、球をつかまえたいイメージが伝わってくる。ヘッドの後方が低いシャローバック形状で、インパクト付近をアッパーブローにスウィングしやすいイメージが出ている。
試打クラブは他のシニア向け長尺ドライバーと違い、シャフトがしっかりしていて、インパクトの再現性や球のつかまりはいい感じで、競合クラブとは一線を画すことが手にしただけでわかる。前述のクラブ全体の慣性モーメント数値の対象ユーザーどおり、ヘッドスピードが42~43m/sくらいのゴルファーがしっかりスウィングできそうだ。
60度法計測で46.75インチの長さなので、うまくミートするには技術が必要だが、一般的な長さのドライバーと同じ振りやすさのクラブ全体慣性モーメントなので、長尺ではあるものの振りにくさを感じることなく、いつもと同じスウィングで打てることが最大の魅力だ。
自分のクラブでキャリー200Yくらいの元気なシニアゴルファーに打ってもらったが、球をつかまえながら効果的に飛距離を伸ばしていた。クラブ長さが46インチを超えた長尺ドライバーなので、芯を食わせるにはそこそこの技術が必要そうだが、競合する長尺ドライバーとは違い、クラブの振り感としっかりしたシャフトで、競技を引退した元気なシニアゴルファーがもう一度、あの頃の飛びを得られそうなクラブだ。
これが「ゲロンD DX-001 」ドライバーの計測データだ!
フック1.0度のフェースアングルに加え、61.5度もある超アップライトなライ角で、球をつかまえるイメージが強い。
フェース高さ53.7ミリとシャローで、またヘッド後方が低くなるシャローバック形状なため、インパクト付近をアッパーブローにスウィングしやすい。
重心距離は43.0ミリと非常に長く、またネック軸回りの慣性モーメントが7869g・㎠と大きいため、ヘッドの返りは緩やかでフェード系弾道になりやすい。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月20日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より