「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は普通のアマチュアのUT選びについて教えてもらった。
画像: 「UTは『とりあえずライが悪いところから打てて球が曲がらなければいい』という考え方も大切です」と宮城氏は語る(写真はイメージ)

「UTは『とりあえずライが悪いところから打てて球が曲がらなければいい』という考え方も大切です」と宮城氏は語る(写真はイメージ)

FWとUTを比べたら、圧倒的にやさしいのはUT

みんゴル取材班(以下、み):いま「パラダイム」のヘブンウッド(20度)と「G410ハイブリッド」の26度を持っていて、23度くらいのUTが欲しいのですが、ヘッドスピード40m/s切るくらいのアマチュアがそもそも地面からボールを上げられるんでしょうか?

宮城:23度だとUTでも飛び系は難しいと思います。もう少しヘッドスピードがないと球が浮きません。

み:飛び系じゃなければいけますか。

宮城:それこそ「G410」や「G425」「G430」あたりは、飛び系でないですがミスに強いし、ハーフトップでもバンバン上がります。22度の4Uなら打てるでしょう。

み:FWとUT、長い番手のセッティングはどう考えるべきでしょうか?

宮城:FWとUTを比べたら圧倒的にやさしいのはUTです。クラブ長が短くてアップライトに振れるからミスが少なくなります。5Wの下に4U、5U、6Uを入れて、その下に6Iなら無難でしょう。

み:6Iですか? 7Iではなくて。

宮城:番手の数字で考えてはいけません。同じ数字、同じロフトでもUTのほうが長いし、ミスに対する寛容性も高くて飛ぶからです。できればクラブを借りて計測機で測ってみるといいでしょう。

ハーフトップでも、真っすぐ前に行けばOK

み:UTも10ヤード刻みで考えたらいいですか?

宮城:これは竹林隆光さんに教わったことですが、物理の法則に従うとロフトが4度違うと飛距離は15ヤード変わるそうです。ロフトが立ってくると、前に行く効率が高くなるので3度でも同じくらい飛距離差が出ます。それをみんな10ヤードにしたがるからおかしくなるんです。15ヤードで考えればセッティングが落ち着きます。とくに長い番手は、距離にある程度幅を持たせて考えることが必要です。4Uより飛ぶのが5Wくらいのアバウトな感覚でいいと思います。

み:なぜですか。

宮城:長い番手になるほどミスヒットが多くなって、縦距離を正確に刻めないからです。かといってミスショットを基準にするとナイスショットしたときに飛び過ぎてしまいます。パー3ホールでティーアップしてちゃんと当たったときに何ヤード飛ぶかを基準にして、手前にハザードがあるとかライが悪いときは一つ番手を上げればいいわけです。

み:距離ではなく、左に行かせたくないとか、狭いホールのティーショットで使うとか、目的別に考えるのはどうでしょう。

宮城:いいと思いますよ。ぼくは20度の3Uを入れています。ハイロフトのUTは引っかけてチーピンが出るから使いませんが、とりあえず3Uを持っていればミスしたときにどこからでもリカバリーできるからです。3Uならハーフトップでもライナーで真っすぐ飛びますから。

ほとんどのアマはナイススウィング、ナイスショットを求めすぎています。レスキュークラブとして考えれば、とりあえずライが悪いところから打てて球が曲がらなければいいわけです。それをきれいな球が打てないから使わないというのはもったいないと思います。

み:3Uにも挑戦してみます。

This article is a sponsored article by
''.