松山英樹に「やりにくい」と評されたビクトール・ホブラン
北欧ノルウェー出身なのに、なぜかこれまで南国のリゾートコースでしか勝てなかった。しかし今回はアメリカ本土であるのに加え、フィールドの厚いビッグイベントで栄冠に輝き「最高の気分」と喜んだ。
メジャー級の難しいセッティングに最終日の平均スコアは74.985。そんななか「70 」にまとめたホブランは、D・マッカーシーと並びプレーオフへ。1ホール目でティーショットをミスした相手を下し、ニクラスの目の前で通算4勝目を挙げた。
マヤコバ(メキシコのリゾート)で2勝、プエルトリコで2勝、2連覇したタイガー主催のヒーローワールドチャレンジの舞台もカリブ海のバハマ。「これまで勝ってきたのは、あまり目立たない試合ばかりでした。でも今回は我慢比べで勝つことができたのは大きい」と達成感を口にした。
「以前は攻めてスコアを伸ばすタイプのコースで勝っていたけれど、難コースでは攻めすぎてミスを犯してきた。だから今回はピンをデッドに狙わず賢いゴルフを心がけました」
マスターズ、全米オープンでローアマに輝いた実績を引っ提げプロ入り。コンスタントに好成績を挙げてきたが、メジャーなどのビッグイベントでは惜しいところで優勝を逃してきた。だが今季はザ・プレーヤーズ選手権で3位、マスターズ7位、全米プロで2位。攻めのゴルフを封印し、賢いマネジメントに徹することでメジャーにいつ勝ってもおかしくない成績を積み重ね、世界ランクも5位に浮上した。
以前「何かがずば抜けて上手いわけじゃないのに上位にいる。やりにくい」とホブランのことを評していた松山英樹は2日目65 で2位に浮上したが、16 位タイに終わっている。それでも体調が戻りつつあり、「やりたいことに近づいている」。シーズン終盤、松山の追い上げにも期待したい。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月27日号「バック9」より