ミズノ契約プロがこぞって使っている
今年のミズノオープンで優勝した平田憲聖が使うミズノ『ST-X 230 ドライバー』を紹介する。試打・計測用クラブ、および計測用ヘッドはロフト角10.5度、シャフトは純正『ツアーAD GM D55(S)』仕様。掲載数値はすべて実測値になる。
クラブ重量は297.4gと標準的だが、クラブ長さが45.38 インチとやや長く、スウィングウェイトがD2.7と大きいので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが289万g・㎠とやや大きくなっている。この数値だと、ドライバーのヘッドスピードが44 ~ 45m/s くらいのゴルファーにとってタイミング良く振れる設計といえるだろう。
細部を見ていこう。全体には丸型のオーソドックスなヘッド形状だが、輪郭的には前モデル『ST-X220』と同様に時計の文字盤でいう4~5時方向の張り出しが大きく、日本のつかまり系ヘッドのイメージが出ている。前モデルよりもライ角のアップライト感があり、FP値(フェースプログレッション)も大きめなので、球をつかまえながら上げやすいイメージが出ている。
レベルスウィングで強い球が打ちやすい
実際に試打したところ、まずアドレスではフェースアングルが0.5度オープンというわずかなオープンフェースでスクエア感は強いが、前モデルよりもアップライトなライ角(60.5 度)と丸型のつかまり系ヘッドの輪郭形状、そしてクラウンのランバードマークが少しヒール寄りということも含めて、全体に球をつかまえたいイメージが伝わってくる。
試打シャフトは適度なしっかり感があり、インパクトの再現性も良く、ヘッドスピードが43~44m/s くらいのゴルファーが扱いやすそうなイメージだ。『ST-X230』は重心深度が36.5ミリと非常に浅い設定で、左右方向のヘッド慣性モーメントが大きな、いわゆるミスに強い寛容性のあるヘッドを狙っていないことがわかる。
しかし、重心深度が浅いことで、むしろインパクト付近でレベルにスウィングしやすくなり、より厚く、強いインパクトがしやすくなっている。また、低重心率が64.9%とやや高重心ヘッドで、適度なスピンも入りやすく、球がつかまりドロー系弾道でも球がドロップしにくく、キャリーを出しやすくなっている。
ヘッドとシャフトのマッチングが良く、つかまったストレート系の弾道でフェアウェイをとらえやすく、スコアメイクできそうなクラブといえるだろう。兄弟モデルの『ST-Z 230』は、形状が逃がし系で、中弾道のフェード系イメージのヘッド。球をつかまえてドロー系イメージで打ちたいゴルファーにはこの『ST-X230』が扱いやすいだろう。
これが「ST-X230」ドライバーの計測データだ!
フェースアングルはオープン0.5度。わずかにオープンといえるくらいのストレートフェースだ。ライ角は60.5度とアップライトで『STX 220』よりもアップライトになり、つかまるイメージが強くなっている。
重心深度は36.5ミリで非常に浅い。前モデルよりも重心深度が浅くなり寛容性は少し下がったが、インパクト付近をレベルにスウィングしやすく、球を強く押せるイメージがあり、飛距離性能はアップしている。
スイートスポット高さは36.0ミリと標準的。フェース高さも55.5ミリと標準的なので、低重心率は64.9%とやや高重心になり、適度なスピンが入って弾道は安定しやすい。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月27日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より