フェースを黒く塗り、ロフトを立ててスクェア顔に整えたST-X230ドライバー
学生プロとしてデビューした昨年のBMWツアー選手権 森ビルカップで7位タイに入るなどの活躍により、ルーキーでシード権を獲得。
ミズノ契約のホストプロとして出場した、全英オープンへの道~ミズノオープンで、同い年の中島啓太との3ホールに及ぶプレーオフを制し、見事初優勝。2015年の手嶋多一以来のホストプロ優勝となり、契約するミズノへの恩返しともなった。
優勝の翌週、本人へクラブについてのこだわりを聞くと……「得意なクラブはドライバーです。ST-Xのロフト10.5度のヘッドをネック調整機能で2度立たせた8.5度で使用しています」
「(同モデルの)9.5度のヘッドも持っていて、それを1度立たせたドライバーを使うこともあるのですが、構えた時に、わずかに左を向いている感じがするんです。2度立たせた8.5度のほうが、フェースアングルが真っすぐ見えて弾道をイメージしやすいので、今はこれがエースです」
フェース面を黒く塗りつぶしている点についても聞いた。「少し変わっているかもしれませんが、理由は『白いアライメントはとくになくてもいいかな……』という自分の感性からで、塗ってみたらすごくシンプルな見え方になって、(自分にとっては)さらに構えやすくなったんです」
「いまはドライバーだけですが、ウッド類のフェース面の黒塗りは以前からやっていて、なぜだか自分のフィーリングに合う」
「フィーリングついでに言うと、ソール後部の鉛も自分で貼ったもの。重心深度を深くしてミスに強く、とかを考えたわけではなく、ここに貼ったら、振った感じが一番しっくりきたんです」。初優勝をもたらしたお気に入りのドライバーについて詳しく説明してくれた。
ST-Xは、‟つかまりのX”と言われるが、平田は「飛ぶし、アドレスでフェースが狙ったところを向いてくれる」ところを高評価。シャフトはベンタスTRブルーの6X。
フェアウェイウッドはパラダイムとステルス
3Wと5Wは契約外クラブで、3Wはパラダイム♦♦♦、5Wはステルスプラス。感性重視の選手らしく、「構えた時の顔から弾道イメージが浮かびやすく、飛距離もしっかり出るモデルなので使っています」
アイアンは3種類のミズノ
3Iは中空ヘッドのアイアン型ユーティリティ、ミズノプロ フライハイ。4Iも別モデルのアイアン型ユーティリティ、MPフライハイを入れる。「3Iと4Iは、発売年が異なるモデルです。3Iは強い球が打てて、高い球も打てる。4Iはスピンが入って距離を合わせやすいんです」
5I~PWは、JPX 923 TOUR。「アイアンは中学3年の頃からミズノです。ミズノの打感が好きなのは当然ですが、自分好みの顔に削ってもらえる、細かな心遣いもミズノ好きの理由です」
ウェッジは52度と58度の2本で、どちらもミズノプロS18。「58度はフルショットしないので」と、しなりを感じやすく、球持ちのいいSフレックスのシャフトを挿す。パターはオデッセイ EXO ロッシーのホワイトホットインサートモデル。
ミズノオープン以降も、ASO飯塚チャンレジドで5位に入るなど、このセッティングで好調を続けている平田。ロイヤルリバプールの全英オープンは、130ヤード台のパー3が新設されるなど、飛距離よりもショット精度とスピンのコントロールが重要になる、初出場での活躍に期待したい。
ミズノの孝行息子は“11本契約”
1W/ミズノ ST-X 230(8.5度)・ベンタス TR ブルー(6X)
3W/キャロウェイ パラダイム♦♦♦(15度)・ベンタス TR ブルー(7X)
5W/テーラーメイド ステルスプラス(19度)・ツアーAD TP(7X)
3I/ミズノプロ フライハイ(19度)・ツアーAD プロトタイプ
4I/ミズノ MP フライハイ(24度)・N.S.プロ モーダスプロトタイプ
5I~PW/ミズノ JPX 923TOUR・N.S.プロ モーダス³ツアー115(X)
AW/ミズノプロ S18(52度)・N.S.プロ モーダス³ツアー115(X)
SW/ミズノプロ S18(58度)・N.S.プロ モーダス³ツアー115(S)
PT/オデッセイ EXO ロッシー・ストロークラボタイプ
BALL/スリクソン Zスター ダイヤモンド
※スペックは編集部調べ(6月1日時点) ※1Wのロフトはネック調整で10.5度→8.5度に変更
※週刊ゴルフダイジェスト2023年6月20日号より(PHOTO//Hiroaki Arihara)