目撃例の増加を受け、宮城県では今年から「熊出没シーズン予報」を行っている。宮城県近郊の4月から11月の予報は、「平年よりも出没が多い見込み」とのこと。
冬眠明けから一段落した熊が、食料を求めて人里に下りてきやすいのが、今の時期。熊の生息地に比較的近い里山で営業しているゴルフ場では、今年、いくつもの目撃情報が寄せられている。
中国地方の山口県周南市にある徳山カントリークラブでは、6月15日午前6時50分頃、アウト1番ホールを歩く体長約80センチの熊をコース関係者が目撃した。
丘陵地が広がる北海道北広島市のゴルフ場で、羆を目撃…
例年、多くの羆目撃が取り上げられる北海道では、今年も連日のように羆の情報が寄せられている。現在は札幌市西区・中央区・南区、小樽市の東部地域で「羆注意報」を発出中。厚岸町と室蘭市でも発出している。
北海道のゴルフ場での目撃情報を挙げる。
6月1日…空知郡南幌町の南幌リバーサイドゴルフ場
6月2日、3日…北広島市の札幌国際カントリークラブ島松コース
6月4日…北広島市のサンパーク札幌ゴルフ場。
北広島市のホームページによると、6月2日の島松コースでは、12時30分頃から17時15分頃にわたって4回も目撃されている。
北広島市内には、島松コースだけなく、ANAオープンの舞台である札幌ゴルフ倶楽部輪厚コースといった有名コースもあり、夏のシーズンには全国からゴルファーが集まってくる。改めて、現在の状況を同市に話を聞いてみた。
「北広島は、札幌市と新千歳空港がある千歳市とのちょうど中間地点にあります。市内全体に丘陵地が多く、自然が多く残っている土地です。そういった面で、羆の生活圏と市街地がわりと近く、ゴルフ場での目撃情報が出ているのだと思います」(市民環境部・山田基氏)
羆が好む木の実は時期的にまだ熟していないため、食料を探してゴルフ場まで移動することがあるようだ。実際、実りを迎える秋口には、農園や果実園が被害に遭うことが多いという。
北広島市では、島松コースとサンパーク札幌の目撃現場付近には「羆注意」の看板を設置、注意行動を喚起している。また、登山や山菜取りなどで山に入る場合の注意事項をホームページに挙げている。この注意書きをゴルファー版に変換してみると……。
「熊の行動が活発になる朝と夕方のほか、濃霧や降雨のときは、山に入らない」。早朝・薄暮プレーは、特に注意が必要。
「山では目立つ服装をし、単独では行動しない」。いつも以上に派手目なゴルフウェアを選び、林や深いラフに曲げてしまった際も、独りでボール探しを行わないこと。
「音を出して自分の存在を知らせる」。プレー中は同伴者との会話を意識的に楽しもう。
「熊の糞や足跡、食べた跡を見つけたら、すぐに引き返す」。見つけたらゴルフ場のマスター室へ連絡して判断を仰ぐ。
もしゴルフ場で熊に遭ったら、寝たフリではなく、まず、通報が先決とのこと。覚えておこう。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月11日号より