きっかけはキャディが持っていたVersa ジェイルバードパター
上昇機運をつかんだのは、今年1月から使い出したVersaジェイルバードパターの存在が大きい。
今年初め、キャディのリッキー・ロマーノが使っていたこのパターを拝借して試したのがきっかけ。このパターにスーパーストローク(ツアー3.0の17インチ)グリップを装着、ソールには約25グラム分の鉛を貼ったジェイルバードでプレーし始めた2週目のファーマーズインシュランスで11位Tに入る。以来、好調モードに入っていった。
ファウラーは全米オープン前、パターについて以下のコメントをしていた。
「握り方を変え、パターの長さを8分の1インチ短くして、クリアランス(体との間隔)を大きく取るようにしました。これまではグリップエンドがベルトのバックルやシャツに擦れることがあったけど、よりスムーズに動くようになりました」
「さらに、シャフト内の圧力も微調整しています。今は何も気にせずストロークでき、ミドルレンジの距離が入るようになっているのに、手応えを感じています」と本人。
全米オープン最終日は、パット絶好調とはいかなかったが、今回の優勝を経て、ツアートータルのスタッツでパットのストロークゲインド(スコアへの貢献度)が、昨年の161位から今は30位と急上昇している。
ちなみに、全米オープンに優勝したクラークも同じパターで、ファウラーのパッティングを見たのが使用のきっかけ。昨年、キーガン・ブラッドリーが日本のZOZO選手権で復活優勝を遂げた際も、手にはこのパターがあり、今年6月のトラベラーズ選手権でも優勝。‟優勝請負パター”として、いよいよ注目の一本となっている。
Versaジェイルバードは、2014年発売で9年前のモデル。通常タイプはホワイトホットインサートだが、ファウラーのパターはOworksシリーズのマイクロヒンジインサートが装着されているプロト。全米オープン優勝のウィンダム・クラークも、まったく同じパター。
ドライバーと3WはコブラエアロジェットLS
昨秋、日本で開催されたZOZO選手権で2位タイに入った時は、コブラのキングLTDxLSドライバーを使っていたが、その後、契約のコブラからニューモデルのエアロジェットシリーズが出ると、いち早くエアロジェットのLS(ロースピン)モデルにスイッチ。
シャフトは漆黒のディアマナ プロトタイプを継続して装着。現在の平均飛距離は309ヤード。トータルドライビングは20位にランク。
3Wもコブラ エアロジェットLSを使う。国内の市販モデルはロフト15度だが、ファウラーの3Wは14.5度。それをネック調整でさらに1度立てて13.5度にしている。5Wは長年愛用するコブラLTDx LS。こちらはロフトを寝かせて18.5度で使用中。
「このアイアン、打点ミスに強い」とファウラー
4I~PWは、軟鉄鍛造のツアーキャビティモデル、コブラKINGツアー フォージド。今年市販された
ニューモデルだが、ファウラーはプロトとして昨年から使っていた。「スコアライン1~2本ぶんの打点ズレによる飛距離のバラつきが小さく、スピン量も理想的。打点ミスにかなり強い」(ファウラー)と、とてもお気に入りのセット。
3本のウェッジはコブラKING。ロフトは54・56・58度と、なぜか2度ピッチ。詳細は不明だがロフトを変更している可能性がありそうだ。シャフトフレックスはアイアンよりも軟らかなSを挿す。
ボールはテーラーメイドのTP5。以前は低スピン&高弾道のTP5xを使っていたが、今はソフトな打感で中高弾道のTP5がエースボール。
●パター以外の13本は‟オールコブラ”
1W/コブラ エアロジェットLS(9度)・ディアマナ プロトタイプ(70X)
3W/コブラ エアロジェットLS(13.5度)・アルディラ ツアーグリーン(75TX)
5W/コブラ LTDx LS(18.5度)・USTマミヤLIN-Q M40X(8F5)
4I~PW/コブラ KINGツアーフォージド・KBSツアーC-TAPER125(S+)
AW・SW・LW/コブラ KING(54・56・58度)・KBS610 WEDGE(S)
PT/オデッセイ Versaジェイルバード(スーパーストローク3.0-17インチ グリップ)
BALL/テーラーメイド TP5
※スペックは編集部調べ(7月3日時点)※3Wはロフト14.5度を1度立たせた13.5度、5Wは1度寝かせた18.5度で使用
※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月11日号より(PHOTO//Blue Sky Photos)※2023年7月4日12時25分、記事一部を修正しました。