「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はツアープロの使用者が増えているヨネックスのアイアンについて、もてはやされる理由を聞いてみた。
画像: 岩井千怜の『イーゾーンCB511アイアン』。「ヘッドは少し大きめですが、操作できるので岩井姉妹の攻撃的なゴルフに合ってますね」と宮城氏は語る

岩井千怜の『イーゾーンCB511アイアン』。「ヘッドは少し大きめですが、操作できるので岩井姉妹の攻撃的なゴルフに合ってますね」と宮城氏は語る

操作性の高さがツアープロに好まれる理由

みんゴル取材班(以下、み):女子プロでは岩井明愛・千怜姉妹や臼井麗華、男子プロも池田勇太、片山晋呉、小田孔明、大槻智春、竹安俊也、岩田寛などヨネックスのアイアンの使用者が増えています。

宮城:そんなに大勢いるんですか。いまのヨネックスのフォージド系アイアンの原型は石川遼が契約していたときにほぼ出来上がっていました。顔がいいし、国内鍛造で打感や仕上げもいいので何かきっかけがあればヒットすると思っていましたが。

み:きっかけは何だったのでしょう。

宮城:フリーになった宮里優作や池田勇太がヨネックスのアイアンを使い始めたのは、もともとブリヂストンにいた開発担当者が声をかけたのがきっかけでした。いまもヨネックスには、若手プロに顔の利くツアー担当者がいるので、この先もツアーでは上手くいくと思います。

み:そもそもプロにとってヨネックスのアイアンのどこがいいのか具体的に教えてください。

宮城:アイアンは狙ったところに止めるクラブなので一番大事なのは操作性です。最近のアイアンは重心距離が長くなっていますが、40ミリを超えると右からドローを打とうとしても、右に真っすぐ行きやすくなります。しかし、ヨネックスのフォージド系は重心距離が33から35ミリくらいなのでコントロールできます。これはブリヂストンのアイアンが一番成功していたときの数値です。

中堅やベテランプロはブリヂストンのアイアンでゴルフを始めている人が多いので振っていて気持ちよく感じるのではないでしょうか。ちなみにいまヨネックスでアイアンを研磨しているのは遠藤製作所でブリヂストンを担当していたスタッフです。バックフェースにカーボンを複合していますが、いい意味で昭和のスタンダードなアイアンといえます。

み:確かに雰囲気はブリヂストンと似ていますね。ちなみに岩井姉妹は平成生まれですが。

宮城:「イーゾーンCB511フォージド」はヘッドが少し大きめですが操作できるので岩井姉妹の攻撃的なゴルフには合っています。岩井ツインズがもっと活躍すればアマチュアにも広まるでしょう。

み:ふつうのアマチュアが使うアイアンとしてはどうですか。

宮城:アスリート寄りの「MB301フォージド」「CB301フォージド」「CB501」あたりはグースが少ないので要注意です。何人か試したプロから聞いたのですが、強い球や、コントロールショットが打ちづらいそうです。かといってフルショットすると左に行きやすいので、ちょっと遅らせて振らなくてはいけません。そのかわりフェードのイメージで振る人にはハマるでしょう。岩井姉妹の使っている「CB511フォージド」ならグースが適度なのでアマでも問題なく使えます。

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