自分が育った古き良き環境を守るつもりだという
ロサンゼルス近郊の「マリエタバレーゴルフレンジ」で祖父・田中豊さんの手ほどきでゴルフを始めた。2人は毎週水曜日にここを訪れて腕を磨いたというが、孫にとってそこは特別な場所。そしてファウラー家にとってもホームのような存在だった。
「この練習場がずっと続いて、次世代に向け開かれた場所であってほしいと望んでいました」とゴルフウィークに語ったファウラー。「ゴルフに興味がある子供たちに自分と同じチャンスを与える」意味を込め、本人にとって原点ともいえる練習場の購入を決めた。
「父は僕がボールを打たせてもらう代わりに、いつも駐車場のメンテナンス用の砂や砂利を届けてくれました」
マリエタバレーには打席のほかパッティンググリーンとアプローチ練習場があり、92 年の創業以来、ジュニア向けプログラムやコミュニティイベントを提供してきた。先の復活優勝後、ザ・アスレチック誌に掲載されたエピソードにはこんな記述も。
「92 年の12 月、3歳のファウラーはマリエタを訪れ、バケツ一杯のボールを打った。そして翌日もまたバケツ一杯のボールを打った。両親はレッスンを行っているのかと尋ね、出会ったのが練習場のプロ、マーク・クウィンランだった」。
その後レッスンプロのバリー・マクドネル氏が引き継ぐのだが、誰もがファウラーが特別であることを感じたという。母はファウラーが高校生の頃、「いつか練習場を買いたいと思っている」と話していたと証言している。
練習場のオーナーとなったファウラーだが、何も変えることなく、自分が育った古き良き環境を守るつもりだという。ボール代は90個12 ドル(1500円)と格安。誰にとっても心地よい特別な場所をファウラーが提供する。