畑岡奈紗は、ローテーションを使ってヘッドを加速している
植村啓太プロいわく、畑岡奈紗のスウィングの特徴は右腕の使い方にあり、それは飛ばしに効果的な動きだという。
「トップからダウンスウィングにかけて右腕を長く使って、体の正面でボールを叩くのが特徴的な動きです。いわゆるローテーションを入れるタイプの打ち方で、ヘッドを加速させやすく、飛ばせるスウィングだと言えます」(植村プロ)
また、体重移動を使う点にも着目。これも右腕を長く使うために必要な動きだという。
「ダウンスウィングの早い段階で左足に体重をシフトさせていますが、右腕を伸ばすための時間が必要で、そのために体重をシフトする時間を上手く使っています。この動きがないと振り遅れて、正面で叩けなくなります。ダウンスウィングの腰の高さのあたりで、右足かかとが浮いていますが、この蹴りによって体重をスムーズにシフトさせていることがわかります。
男子でいえばマキロイやタイガーと同じタイプで、腕を長く使ってヘッドを走らせています。背面から見ると左足にしっかりと乗ってから回転していることがよくわかりますが、体が流れていないことも重要な部分で、そこは下半身の強さや柔軟性が影響しています」(植村プロ)
両ひざの安定感がしなやかな動きを生む
スムーズな体重移動の根幹を成しているのが両ひざの動きだ。
「背面から見るとよくわかりますが、両ひざの間隔が全く変わりません。人間の関節はある部分を止めると、その隣の関節を動かそうとする特性があり、ひざを安定させることでスムーズな股関節の動きを実現させています。だから体重移動を行っても、軸がブレずに、腕をしっかり振ることができています」
ボールを強く叩けるのは上半身ではなく下半身を柔軟に使えているからだと植村。
強いインパクトは両ひざの使い方が原動力になっているようだ。
畑岡奈紗のスウィングを手に入れる2つの飛距離アップドリル
◆飛距離アップドリル① 右腕だけ振り下ろしインパクトイメージを作る
ダウンスウィングで右ひじを伸ばして、右手のひらを体の正面でスクエアに戻す動きを繰り返し行うことで正面で叩く感覚が身に付きます。
◆飛距離アップドリル② フェース面の開閉を感じてインパクト
腰の高さの位置でフェース面を地面と直角にセットして、そこからボールを打つドリルです。ダウンスウィングでのフェースの動きをマスターしましょう。
PHOTO/ARAKISHIN、TadashiAnezaki、Hiroyuki Okazawa、Yasuhiro JJ Tanabe
THANKS/プレミアムゴルフスタジオ代官山
※週刊ゴルフダイジェスト2023年8月22・29日合併号「この夏見るのはこの7人! 背面&正面最新連続写真大特集」より