国内女子ツアーで初優勝者が続出しているが、米女子ツアーでも新星が誕生した。自らの19歳の誕生日に初優勝という最高のプレゼントを得たアレクサ・パノが、その人だ。

欧州女子ツアーとの共催、アイルランドのガルゴルムキャッスルGCで行われた「ISPS HANDAワールド招待」で、アメリカ人のパノが三つ巴どもえのプレーオフを制し初優勝を飾った。「2カ月くらい前、誕生日の日に優勝したいな、と親友に話していたんです。それが現実になるなんて」と喜びを口にしたパノ。「現実じゃないみたい」「実感が湧かない」を連発するところが、いかにもティーンエージャーらしい。しかし実は彼女、アメリカのゴルフファンの間では知られた存在。

画像: パノ選手が11歳で日本ツアーのヨネックスレディスに出場した時。残念ながら予選通過はならなかった

パノ選手が11歳で日本ツアーのヨネックスレディスに出場した時。残念ながら予選通過はならなかった

10年前、全米キッズゴルフ選手権に出場した当時9歳だった少女パノの挑戦が、ネットフリックスのドキュメンタリー『ザ・ショートゲーム』で放映され話題になった。

ジュニア時代注目されても尻すぼみに終わることは少なくないが、パノは順調にキャリアを重ね、2021年には梶谷翼がチャンピオンにも輝いたオーガスタナショナル女子アマに最年少で出場するなど、着実に実績を積んできた。各大学から引く手あまただったが進学はせず、昨年プロに転向すると、初挑戦のプロテスト最終予選会で上位に入り、ツアーカードを取得。そして12戦目となる同大会で栄冠に輝き、欧米両ツアーを通して今シーズンの最年少優勝者となった。

画像: 今シーズン、出場11試合で予選通過5回と苦戦していたが、出場12試合目で初優勝。現在、19歳のA・パノ、今や身長180センチの大型選手だ(Ph/本人のインスタグラムより)

今シーズン、出場11試合で予選通過5回と苦戦していたが、出場12試合目で初優勝。現在、19歳のA・パノ、今や身長180センチの大型選手だ(Ph/本人のインスタグラムより)

大会初日にはワーストスコアの76を叩いて大きく出遅れたが、2日目以降パッティングがさえまくり、最終日はなんと23パット。9バーディを量産し、キャリアベストの「66」をマーク。首位グループに追い付き、3ホールに及ぶプレーオフを制する劇的勝利だった。ちなみにパノは11 歳の頃、日本ツアー(2016年ヨネックスレディス)にも出場経験を持つ。引き続き注目したい選手だ。

※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月12日号より

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