ゴルフ界の総本山、R&Aが主催したジャパンサミット。日本のゴルフ界が直面している問題点を話し合うためJGAやツアー関係者、ゴルフメーカー、ゴルフ場運営会社など、ゴルフ界の団体代表者80名を招待。R&Aからはチーフ・デベロップメントオフィサーをはじめ、各分野のスペシャリストが参加した。
R&Aの本気度が感じられるサミットだった。ゴルフ業界だけでなく、文部科学省の外局、スポーツ庁の星野芳隆審議官も出席した。
星野氏によれば、現在日本の20歳以上のスポーツ実施率は約56%だが、同庁では第3期スポーツ基本計画で、この実施率を70%まで高めたいという。それには、「国民が生涯にわたって楽しめるゴルフは有力なスポーツです」と言及。一方で、日本の実態はゴルフ人口の核となった団塊の世代が引退しつつある。これに対して、R&Aが具体的に提案したのは「女性とゴルフ」、「健康とゴルフ」だった。
これはSDGsにも通じる世界的なテーマとなっていて、まずはアジアゴルフの“盟主”的存在の日本に提言してきたわけだ。女性とゴルフにおいては、田代祐子氏(アコーディア・ゴルフ会長)が、「女性のゴルフ参加を増やす施策を促進していく」と、業界全体での協力を呼びかけた。ゴルフと健康においても、R&Aは日本のゴルフ業界へ協力、推進していく考えを表明。
サミットに参加したR&A会員の武居振一氏(JGAゴルフミュージアム)は、「R&Aは、以前から女性と健康がこれからのテーマだと言ってました。それに関連して、手軽にできる9ホールプレーや、女性のカジュアルゴルフを提案しています。全英オープンを主催し、潤沢な資金を有するR&Aですが、ゴルフ界の将来を100%楽観視しているわけではありません。持続可能な成長を望むには、ゴルフ人口の裾野を広げることに尽きるのです」。R&Aの考えは、現在の日本ゴルフ界にそのまま当てはまるテーマでもあった。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年9月26日号より