
ABEMAツアー「石川遼 everyone PROJECT Challenge 2023」で優勝した18歳のアマチュア清水蔵之介(写真提供/JGTO・敬称略)
「14 番でボギーを打って、目が覚めて気持ちを入れ替えました」(清水)
最終日、清水は12番まで1イーグル2バーディ、ノーボギーと4つスコアを伸ばし、トップを逆転。13番を終えた時点では2位で先にホールアウトしたプロの伊藤誠道を3打リードしていた。
しかし、14番と16番でボギーを叩き、最終ホールでの貯金はわずかひとつに……。それでも、419ヤードのパー4をパーセーブ。なんとか1打を守り切り、初めて‟プロツアー”での冠を手にした。
「本当にうれしいです。8割うれしいのと、2割はすごく疲れました。後半 11、12番でバーディをとった後に疲れがきちゃって……。 緊張より疲れがきていました。 今日はずっと笑顔でプレーすることを心掛けていましたが、もういいやって(苦笑)。でも 14 番でボギーを打って、目が覚めて気持ちをさらに入れ替えました」と、優勝後、バック9の気持ちの変化を振り返った。

5歳のときに週刊ゴルフダイジェスト誌が取材した‟清水蔵之介くん”
清水蔵之介がゴルフを始めたのは3歳のころ。5歳ですでに「天才園児ゴルファー」としてゴルフ界では注目されていた。
7歳で世界ジュニアに優勝し、6歳から出場したゴルフダイジェストジャパンジュニアカップ(小学校低学年)では大会3連覇。13歳では今大会と同じ冠大会の「石川遼インビテーショナル」に優勝するなど、ジュニアタイトルを総なめにしてきた。
18歳で身長180センチと体も大きくなり、今やドライバーの飛距離は300ヤードを誇る。

左が5歳のときのインパクト写真。右が2年前に撮影したインパクト写真(PHOTO/Hiroaki Arihara)
"超ワイドスタンス"と"ジャンプ"が飛距離の源
2年前の週刊ゴルフダイジェストの取材では、「最近、ようやくヘッドスピードが50m/sを超えて300ヤードを超えるようになりました」と、高1のころから自身の飛距離に手ごたえを感じていた。
スタンスを大きく広げる”超ワイドスタンス”が特徴的で、インパクトに下半身で‟ジャンプ”しながら回転させるのも清水の特徴だ。「飛ばそうと思っていたら、自然とこうなりました。‟ジャンプ”も直さずにここまできたし、スタンスも気づけば超ワイドになっていました」
ジュニア時代から培ってきた飛距離を武器に優勝した清水。今後の目標については、「世界を目指したいです。 最近、どうやったら世界一になれるかばかり考えていて、今はすべてが足りないと思っていて、現状に満足せず、努力を惜しまないプロになりたいと思っています。今回、ABEMAツアー最年少優勝記録で2 位の記録を持っていた先輩の久常涼選手の記録を越せたことはめちゃくちゃ励みになります。今のところの予定は、大学を考えていましたが、難しいですね……。 両親と高校の先生と話をして今後プロになるタイミングは考えて行きたいと思います」
5歳のころに話していた「プロゴルファーになりたい!」という夢に一歩近づいた。(敬称略)