PGAツアーは、タイガー・ウッズやアーニー・エルス、フィル・ミケルソン、レティーフ・グーセン、ヴィジェイ・シンが活躍したビッグ5時代、選手たちの実力が拮抗した戦国時代など、さまざまに評されてきました。では2022-23年シーズンはどうだったでしょう?
個人的に呼び名をつけるとして、「スーパー4のホットな1年」としたいですね。少し陳腐かもしれません。でも実際、スーパー4、つまり、世界ランク順にスコッティ・シェフラー、ローリー・マキロイ、ジョン・ラーム、ビクトール・ホブランの活躍には眼を見張るものがありました。改めて振り返ると、この4人は他を圧倒し、ツアーを支配していました。
ラームがシーズン序盤瞬く間に3勝を挙げた勢いのままマスターズを制覇。一方、シーズン終盤はプレーオフシリーズで連勝したホブランの独壇場となりました。実は彼、プレーオフ3試合(12ラウンド)のワーストスコアがイーブンパー。残りの11ラウンドは60台で驚異の合計46アンダーを叩き出しています。
年間スケジュールの48試合中、23%の11勝がスーパー4による勝利。シェフラーは優勝2回、2位が2回、3位が5回あるうえ、出場23試合でトップ10フィニッシュが実に17回に上ります。マキロイは2勝ですが、5月半ば以降の10試合すべてでベスト10に入るなどスタイリッシュにシーズンを駆け抜け
ました。
強い選手がファンの期待通りのプレーをするエキサイティングな展開。これができたのは手前味噌ではありますが、PGAツアーの強化システムが原因の一端になっています。
ツアーは2023年から12のトーナメントを「昇格試合」に指定し、トッププロはそこに全員出場が求められるようになりました。それ以外に8試合ですから、最低でも20試合への参戦を促しています。
「ジェイ(・モナハンPGAツアーコミッショナー)が求めたのは、エリートプレーヤーがよりツアーを魅力的なものにするため、以前にも増して頻繁に集結することでした」と、マキロイは2022-23年シーズンが開幕する前に説明しています。
世界のトップたちが丁々発止の真剣勝負を行うことでもたらされるトーナメントの迫力と興奮は、相乗効果を生みます。来年スーパー4のメンバー入れ替えはあるのか? 新たな絶対ヒーローが登場するのか? まずはスーパー4の今後を注視してください。
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月12日号より(ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Blue Sky Photos)
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