6Iから9IのAPEX MBを入れたのは今年6月のみずほアメリカズオープンから。本人曰く、「このアイアンに決まって、ようやく納得いくセッティングになりました」の言葉通り、その試合で7位タイに入ると、次戦から2位、20位タイ、3位タイ、3位タイと上位を連発させた。
APEX MBは、バックフェースのセンターにウェイトビスが入った2021年モデルの小ぶりなマッスルバックだ。シャフトはN.S.プロのPROTOTYPE。4Iと5IのAPEX CBは7月のダウグレートレークスベイ招待から。
ドライバーはパラダイム♦♦♦のロフト9度、ソールのヒール部分に鉛を貼り、重心を少しネック側に寄せて操作性を高めている。シャフトはオート・クチュールカーボンシャフトのイミド・アンド・サンズ。ちなみに2021年の全米女子オープン優勝時のドライバーも同メーカーのシャフトを挿していた。この組み合わせで、USLPGAでの平均飛距離はツアー7位の273ヤード。フェアウェイキープ率は70.9%(103位)だが、パーオン率は72.7%(25位)。多少ブレても大曲がりしていないことがわかる。
3Wはパラダイムのフェアウェイウッドでロフト16.5度のHL(ハイローンチ)を使う。APEX UWは石川遼やX・シャウフェレも愛用するキャロウェイ契約のプロに人気のモデル。シャフトはいずれもディアマナZF。
ウェッジは46・50・56・60度のJAWS RAW。アイアンセットのPWを抜いて46度前後のGWを入れるのは、B・ケプカ、J・トーマス、A・スコットなど海外のトップ選手が取り入れるトレンド。飛ばし屋らしくセッティングの発想が男子プロに近いようだ。
撮影したTOTOジャパンクラシックでは、パターをオデッセイのニューモデル、Ai-ONEミルドのプロトにスイッチ。ダブルベンドネックのモデルはツアーオンリーのプロト。もう1本のパターはこの試合の前まで使っていたTOULON ATLANTAプロト。同型マレットのダブルベンドネック仕様。
Ai-ONEミルドのチタンフェースインサートは、「打感が軟らかいのに初速が出てくれて距離感が合わせやすい」と笹生。ボールは操作性に長けたクロムソフトX。今シーズン(USLPGA)の平均ストロークは14位(70.29)、賞金ランクは9位(182.2万ドル)だが、アイアンが決まった後半、尻上がりに調子を上げていた。来シーズンが楽しみだ。
笹生優花の14本スペック
1W/パラダイム♦♦♦(9度)・IMIDE AND SUNS(イミド・アンド・サンズ)
3W/パラダイム フェアウェイウッド3HL(16.5度)・ディアマナZF60(X)
3U/APEX UW 2021年モデル(19度)・ディアマナZF(X)
4I・5I/APEX CB(23度・26度)・N.S.プロ PROTOTYPE
6I~9I/APEX MB 2021年モデル・N.S.プロ PROTOTYPE
PW~LW/JAWS RAW ウェッジ(46度・50度・56度・60度)・N.S.プロ PROTOTYPE
PT/オデッセイ Ai-ONE MILLED THREE T DB(ダブルベンドネック プロト)
BALL/クロムソフトX
※スペックは編集部調べ ※スペックやスタッツは11月30日時点のもの
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月12日号より(PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara)