
さそう・ゆうか/2001年6月、フィリピン生まれ。東京都出身。代々木高校を経て、2020年プロ入り。同年ニトリレディス、NEC軽井沢72で2勝。2021年全米女子オープンで畑岡奈紗とのプレーオフの末、優勝
6Iから9IのAPEX MBを入れたのは今年6月のみずほアメリカズオープンから。本人曰く、「このアイアンに決まって、ようやく納得いくセッティングになりました」の言葉通り、その試合で7位タイに入ると、次戦から2位、20位タイ、3位タイ、3位タイと上位を連発させた。

6I~9IはAPEX MB、4Iと5IはAPEX CB
APEX MBは、バックフェースのセンターにウェイトビスが入った2021年モデルの小ぶりなマッスルバックだ。シャフトはN.S.プロのPROTOTYPE。4Iと5IのAPEX CBは7月のダウグレートレークスベイ招待から。

パラダイム♦♦♦とオートクチュールシャフト、イミド・アンド・サンズの組み合わせ。ヘッドのソールにはライ角57度、ヘッドウェイト194.1グラムのスペックシールが貼られていた
ドライバーはパラダイム♦♦♦のロフト9度、ソールのヒール部分に鉛を貼り、重心を少しネック側に寄せて操作性を高めている。シャフトはオート・クチュールカーボンシャフトのイミド・アンド・サンズ。ちなみに2021年の全米女子オープン優勝時のドライバーも同メーカーのシャフトを挿していた。この組み合わせで、USLPGAでの平均飛距離はツアー7位の273ヤード。フェアウェイキープ率は70.9%(103位)だが、パーオン率は72.7%(25位)。多少ブレても大曲がりしていないことがわかる。

3Wはパラダイムフェアウェイウッド3HL、3UはAPEX UW。冒頭のクラブセッティング写真にある短いUTは、試合では抜く
3Wはパラダイムのフェアウェイウッドでロフト16.5度のHL(ハイローンチ)を使う。APEX UWは石川遼やX・シャウフェレも愛用するキャロウェイ契約のプロに人気のモデル。シャフトはいずれもディアマナZF。

トレーリングエッジのヒール部分からトップラインの裏側を削っているのは笹生のリクエスト。4本のウェッジとも同様に削ってある。「おそらく、自分なりのイメージがあるのでしょう」(キャロウェイのツアーレップ)
ウェッジは46・50・56・60度のJAWS RAW。アイアンセットのPWを抜いて46度前後のGWを入れるのは、B・ケプカ、J・トーマス、A・スコットなど海外のトップ選手が取り入れるトレンド。飛ばし屋らしくセッティングの発想が男子プロに近いようだ。

現在バッグに入れるのはチタンフェースインサートのオデッセイAi-ONEミルドパター(左)。右はその前まで使っていたオデッセイTOULON ATLANTA。同じヘッド形状、同じダブルベンドネック
撮影したTOTOジャパンクラシックでは、パターをオデッセイのニューモデル、Ai-ONEミルドのプロトにスイッチ。ダブルベンドネックのモデルはツアーオンリーのプロト。もう1本のパターはこの試合の前まで使っていたTOULON ATLANTAプロト。同型マレットのダブルベンドネック仕様。
Ai-ONEミルドのチタンフェースインサートは、「打感が軟らかいのに初速が出てくれて距離感が合わせやすい」と笹生。ボールは操作性に長けたクロムソフトX。今シーズン(USLPGA)の平均ストロークは14位(70.29)、賞金ランクは9位(182.2万ドル)だが、アイアンが決まった後半、尻上がりに調子を上げていた。来シーズンが楽しみだ。

笹生優花。世界ランキング27位(12月6日時点)
笹生優花の14本スペック
1W/パラダイム♦♦♦(9度)・IMIDE AND SUNS(イミド・アンド・サンズ)
3W/パラダイム フェアウェイウッド3HL(16.5度)・ディアマナZF60(X)
3U/APEX UW 2021年モデル(19度)・ディアマナZF(X)
4I・5I/APEX CB(23度・26度)・N.S.プロ PROTOTYPE
6I~9I/APEX MB 2021年モデル・N.S.プロ PROTOTYPE
PW~LW/JAWS RAW ウェッジ(46度・50度・56度・60度)・N.S.プロ PROTOTYPE
PT/オデッセイ Ai-ONE MILLED THREE T DB(ダブルベンドネック プロト)
BALL/クロムソフトX
※スペックは編集部調べ ※スペックやスタッツは11月30日時点のもの
※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月12日号より(PHOTO/Shinji Osawa、Hiroaki Arihara)