開幕戦と最終戦の14本を比べると、替わったのはパターのみで、クラブに対する迷いは全くなかったことがわかる。替えたパターはいずれもスパイダーでフォルムは同じ。
テーラーメイドのツアー担当にパタースイッチの経緯を聞いてみると、「スパイダーTOUR Xを投入したのは9月の日本女子オープンからです。岩井プロはこのスパイダーXのシェイプを気に入って、昨年も使っていました。TOUR Xは前モデルよりも打感と操作性が向上していて、その点を評価したようです」
調べてみると、スパイダーTOURシリーズからヘッド中央部を空洞化、それにより各モデルの重心配置にメリハリがつき、寛容性と操作性が向上。さらに、フェース裏側にハイブラーエコーという振動吸収材を搭載して打感と打音も向上させている。こうしたアップデートがスイッチにつながった。
ちなみに9月までの3勝は、旧エースパターのスパイダーXで達成。新エースではシーズン終了直後のHitachi 3 ツアーズで、妹・千怜とのコンビで18ホール11アンダーの大爆発。明愛がMVPを獲得した。この新エースで来季も開幕を迎えるのか注目したい。
パター以外のクラブは契約するヨネックス製。ドライバーはEZONE GT 450、シャフトもヨネックスのレクシス カイザM。ロフト9度のヘッドをネックで10.5度、フェースアングルを1度クローズに調整、1シーズン変更はなかった。唯一変えたのはソールの鉛。開幕戦はトウ寄りに小さな鉛を貼っていたが、シーズン中、ソール前方にフェース面と平行の貼り方に変えた。ここはスピン量を抑えて直進性を高める位置。シーズンの平均飛距離257.88ヤード(ツアー5位)、FWキープ率は61.63%(同63位)だった。
アイアンは、ヨネックス2モデルのコンボセッティング。4IからPWまで鍛造キャビティのEZONE CB511、さらに別モデルで飛び系のEZONE FSの5Iと6Iをバッグに入れ、コースに応じてクラブを選んでいる。シャフトは、強弾道でスピンも増えるヨネックスのカーボンシャフト、レクシス カイザi。今シーズンのパーオン率は75.34%でツアー1位。
ウェッジは、50・54・58度のEZONE W 501で3本ともノーメッキのヘッド。モデルは変更していないが、スコアラインの摩耗により、シーズン中、何度か新調していた。シャフトはアイアンと同じN.S.プロ 950GH neo。
ボールはスリクソンZスターXV。岩井明愛3勝のほか、千怜2勝、山下美夢有5勝、青木瀬令奈1勝、小祝さくら1勝、菅沼菜々2勝、シーズントータル14勝の実績モデル。
パター以外はヨネックス
1W/EZONE GT 450(10.5度)・レクシスカイザ M(5S)
3W /EZONE GT フェアウェイウッド 3D(14.5度)・レクシスカイザ M(6S)
5W/EZONE GT フェウェイウッド#5(18度)・レクシスカイザ M(6S)
5I・6I/EZONE FS アイアン(21度・23度)・レクシスカイザ i(8S)
4I~PW/EZONE CB511 フォージドアイアン・N.S.プロ950GH neo(S)
AW・SW/EZONE W501 ウェッジ(50度・54度・58度)・N.S.プロ950GH neo(S)
PT/スパイダー TOUR トゥルーパス スモールスラント(3度)・スーパーストロークTR TOUR1.0
BALL/スリクソン Zスター XV
※スペックは編集部調べ ※試合ではCB511の4I、5Iを抜いてプレーすることが多い ※1Wはネック調整でロフト9度→10.5度 ※スペックやスタッツは2023シーズン終了時点
※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月2日号より(PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa)