
24年「ザ・セントリー」初日のザンダー・シャウフェレのティーショット。1Wは最新「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」だ!(撮影/Blue Sky Photos)
タイプ別に25万(計100万以上)のリアルスウィングデータから誕生した5代目“AIフェース”
2016年に社内でAIを用いたフェースの試作(当初はアイアン)を開始したキャロウェイ。AIフェースの製品化に成功したのが19年発売の「エピックフラッシュ」シリーズに搭載された“Flash Faceテクノロジー”だ。このときのAI活用は、耐久性を確保しつつ、ボール初速をアップさせることが目的だったが、20年の“FLASH FACE SS20”で打ち出し角の、21年の“FLASH FACE SS21”でスピン量の適正化に成功。そして、23年に開発した“AI FLASH フェース”は弾道の着弾地点の左右ブレを抑制することも可能になり、前作「パラダイム」シリーズに搭載された。
そして、今回発表された「パラダイム Ai スモーク」シリーズにはタイプ別に25万(計100万以上)のリアルゴルファーのスウィングデータをインプットしたAIで、5万回ものバーチャル試作をテスト。その結果、フェースのどの場所に当たってもスピン量と球のバラツキが抑えられ、飛距離が落ちない全面スイートエリアを実現した“AI SMART フェース”を搭載したという。また、「パラダイム」の名前が示すように、前作で好評だった“360度カーボンシャーシ”を進化させ搭載。ヘッドの真ん中が軽量化されたことによって生まれた余剰重量を最適に配置することで、「飛び」と「やさしさ」を実現している。
AIフェースデザインの歴史
2016年/試作のアイアンフェースを始めてAIで開発
2019年/耐久性を確保し、ボール初速を上げた“Flash Face”テクノロジーを搭載した「エピックフラッシュ」シリーズを発売
2020年/ボールスピードだけでなく打ち出し角の適正をインプットに追加した“FLASH FACE SS20”を開発(「マーベリック」シリーズに搭載)
2021年/スピンの適正インプットを追加した“FLASHFACE SS21”を開発(「エピック」シリーズに搭載)。同時にリアルなスウィングデータをAIへインプットすることの検討を開始
2022年/試作品としてスウィングデータをインプットされた1Wが完成
2023年/フェースは弾道の着弾地点の左右ブレの抑制を可能にした“AI FLASH フェース”開発(「パラダイム」シリーズに搭載)
2024年/リアルなスウィングデータをインプットした“AI SMARTフェース”を「パラダイムAi スモーク」シリーズに搭載

左上から時計回りに「エピック フラッシュ スター」(製品カット、フェース面)「マーベリック」(製品カット、フェース面)「エピック MAX」(製品カット、フェース面)「パラダイム」(製品カット、フェース面)(撮影/有原裕晶、野村知也)
今作もラインナップは4機種
ドライバーのラインナップは前作「パラダイム」と同様に、レギュラーモデルの「パラダイム Ai スモーク MAX(ロフト角/9.0度、10.5度、12.0度)」、ドローバイアスモデルの「パラダイム Ai スモーク MAX D(ロフト角/9.0度、10.5度、12.0度)」、軽量モデルの「パラダイム Ai スモーク MAX FAST(ロフト角/9.0度、10.5度、12.0度)」、操作性の高い「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド(ロフト角/8.0度、9.0度、10.5度)」の4機種になっている。

左上から時計回りに「パラダイム Ai スモーク MAX」「パラダイム Ai スモーク MAX D」「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」(撮影/野村知也)
標準シャフトには「パラダイム Ai スモーク MAX」と「パラダイム Ai スモーク MAX D」が「TENSEI 50 for Callaway(S、SR、R)」、「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」が「TENSEI 40 for Callaway(S、SR、R、R2)」、「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」が「TENSEI 60 for Callaway(S、SR)」を用意。各モデルの純正シャフトの価格は一律で9万6800円。

左から「パラダイム Ai スモーク MAX」「パラダイム Ai スモーク MAX D」「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」(撮影/野村知也)
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●レギュラーモデル「パラダイム Ai スモーク MAX」の特徴
AIに打ち込んだデータは、ヘッドスピードが約40~44m/sで入射角はややアッパー、ヘッド軌道はややアウトサイドインで、インパクト打点が安定しないゴルファー。「パラダイム」と比べ「パラダイム Ai スモーク MAX」は平均で約3.3ヤード飛距離が伸び、約13%の左右幅のブレが抑えられているという。

「パラダイム Ai スモーク MAX」をフェース面とトウ側から撮影(撮影/野村知也)
●ドローバイアスモデル「パラダイム Ai スモーク MAX D」、軽量モデル「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」の特徴
AIに打ち込んだデータは、ヘッドスピードが約36~40m/sで入射角はダウン、ヘッド軌道はアウトサイドインで、インパクト打点がフェース全面にバラつくゴルファー。「パラダイム MAX D」や「パラダイム MAX FAST」と比べ「パラダイム Ai スモーク MAX D」や「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」は平均で10ヤード以上のドローが掛かるようになり、また約2ヤードの飛距離アップに成功したという。

「パラダイム Ai スモーク MAX D」をフェース面とトウ側から撮影(撮影/野村知也)

「パラダイム Ai スモーク MAX FAST」をフェース面とトウ側から撮影(撮影/野村知也)
●操作性が高い「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」の特徴
AIに打ち込んだデータは、ヘッドスピードが約47~54m/sで入射角はアッパー、ヘッド軌道はストレートかややフェードで、インパクト打点がセンターで安定しているゴルファー。「パラダイム トリプルダイヤモンド」と比べ「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」は平均で約34%の左右幅のブレが抑えられ、また平均で約2.5ヤードの飛距離性能が向上したという。

「パラダイム Ai スモーク トリプルダイヤモンド」をフェース面とトウ側から撮影(撮影/野村知也)
フェアウェイウッド、アイアン、ユーティリティもラインナップ
その他、フェアウェイウッドはドライバー同様のターゲットとなる「パラダイムAi スモークMAX」「パラダイムAi スモークMAX D」「パラダイムAi スモークMAX FAST」「パラダイムAi スモーク トリプルダイヤモンド」の4機種。アイアンはHS42m/s以上をターゲットにした中空モデル「パラダイムAi スモーク(7I/28度)」、アベレージでHS42m/s以下がターゲットの「パラダイムAi スモークHL(7I/30度)」、HS40m/s以下の「パラダイムAi スモークMAX FAST(7I/26度)」の3機種。ユーティリティはアイアン同様のターゲットとなる「パラダイムAi スモーク」、「パラダイムAi スモークHL」、「パラダイムAi スモークMAXFAST」の3機種がラインナップされている。
PHOTO/Tomoya Nomura(クラブ)、Hiroaki Arihara(クラブ)、Blue Sky Photos(ザンダー・シャウフェレ)