コリンは今季、ドライバーを新しい『Qi10 MAX』に替えたことは既報の通りだが、改めて彼のバッグをのぞいてみると、セッティングはなかなか個性的。特にアイアンは、3IからPWまでを4つのモデルで構成している。アイアンを組み合わせる“コンボ”自体はポピュラーだが、4つものアイアンを組み合わせるのはコリンぐらいではないだろうか。
「ヘッドがさまざまだと違和感があるんじゃないかって?いや、僕はコンボアイアン関しては、アドバンテージしか感じていないよ。アイアンはとにかく距離のギャップを埋めることが大事。それをやりやすくしてくれるのがコンボアイアンなんだ」(コリン)
構成は7IからPWの下の番手がMBの『P730』。5I、6Iがキャビディバックの『P7MC』。4Iは中空構造の『P770』。そして3Iが同じく中空の『P790』だ。
「7番からPWは、いわゆる“スコアリングクラブ”。できればウェッジのように狙い打ちをしたい。僕が長年使っていたSIMドライバーもそうだったけど、僕はフェースが小さく見えるクラブが好きなんだ。そのほうがより集中力が増して、ボールを芯でとらえやすいからね。フェースが大きいと、だらけた感じになって芯に当たりづらいことがままあるんだ」
5I、6Iには結果に対する許容性を重視するとコリン。
「このゾーンになると、ウェッジやスコアリングクラブほどの精度はなくなる。もちろん、本当はすごくピンに寄ってほしいんだけど、方向性に関してはそこまでシビアに考えていない。それよりもこのゾーンでは、タテ距離のズレをいかに抑えるかが重要。仮にMBだと打ち損じて12ヤードぐらいショートしてしまうところが、MCだと5ヤードに抑えられる。そのぐらい違いがあるから、助けられているね」
そしてロングアイアンには、アマチュアにも人気の中空構造のモデルをチョイスする。
「4番では、距離は210ヤード以上になるので、狙いはグリーンのセンター、右サイド、左サイドという感じでさらに大雑把になる。大きなターゲットを狙っていくので、その範囲内に入ってくれればよし、という感じ。オフセンターヒット時に距離の落ち込みが少ないものがP770であり同じ理由で、3番はP790をチョイスしているよ」
ショートアイアンでは、高い集中力を生み出すためにもMBを、それより上の番手に関しては、ミスヒットした時にいかに距離を落とさずターゲットとの誤差を最小限に抑えるか。これがPGAツアートップ選手の“アイアン考”だ。
グリッププレッシャーは10段階中“6”ぐらい
海外選手のインタビューの際には、可能な限りクラブをどのくらいの力で握るか(グリッププレッシャー)について質問をしている。コリンの場合はどうだろう。
「握る強さは人それぞれで正解はないけど、僕は結構しっかりめに握るほうだと思う。10段階でいえば“6”ぐらい。とはいえ、腕が硬直せずに適度にリラックスしている状態はキープ。でもちゃんとクラブはコントロールできる強さはほしい。だから感覚としてはちょっとタイトめに握っている感じだよ」
こちらもぜひ参考にしていただきたい。
PHOTO/Blue Sky Photos、Katsumi Aida