内転筋の柔軟性が失われるとインパクトで体が起き上がる
シーズンを通して桑木志帆をサポートしてきた小楠和寿トレーナーは、スウィングに直結するトレーニングに定評がある。桑木自身も「トレーニングしてきたことが成績にもつながって、その大切さを感じています」とシーズンを通してトレーニングを続ける重要性を実感している。
ここでは、“骨盤を起こして前傾する”という正しいアドレスの姿勢づくりと、ダウンスウィングではアドレスで作った前傾姿勢をキープしたまま骨盤をターンさせるために必要な内転筋のストレッチを教えてもらおう。
「ひざ立ちから片ひざを体の横に立て、骨盤を起こして背筋を伸ばします。顔を上げ軽くアゴを引いた基本姿勢からスタートします。体の横に立てたひざのほうに体を倒し、内転筋をストレッチしていきます。呼吸を止めずに3つ数えながら体を倒し、戻しては3つ数えながら体を倒していきます。片側10回を左右2セットずつから始めてみましょう」(小楠トレーナー、以下同)
スウィングに当てはめてみると、インパクトにかけて前傾姿勢が崩してしまうのは内転筋の硬さによる要因も大きいと小楠トレーナーは言う。
「内転筋が硬くなると骨盤の前傾ができなくなってしまいます。骨盤を前傾させたまま切り返すとお尻を突き出すような動きになりますが、その際にひざの間隔が広がって一瞬ガニ股になる動きが入ります。そのときに内転筋が硬いと体が起き上がってしまいます」
実際に小楠トレーナーの元に訪れるゴルファーでも、多かれ少なかれインパクト前から体が起き上がってしまうクセがあるゴルファーはとても多く見られるという。体が起き上がってしまうと、アーリーリリースやアウトサイドイン軌道の要因になってしまう。
NGなのは、背筋を伸ばした姿勢を崩し目線も下げてしまうこと。しっかりと顔を上げて前を向き、呼吸を止めずに内転筋が伸ばされていることを意識しよう。
内転筋のストレッチで柔軟性を確保することで、前傾姿勢をキープしたまま切り返し骨盤をターンさせることができるというわけだ。そうすることによってダウンスウィングで手元の通り道が確保されインサイトからクラブを下ろすことができるという。早速やってみよう!
取材協力/J’sスポーツボディ