これぞゼクシオ! 4つの”不変のやさしさ”
気持ちよくスウィングするための軽量化。球をつかまえやすくするためのフックフェース。弾道の安定化とキャリー不足を解消するための高重心ヘッド。プレーヤーに爽快感を与えるための高いインパクト音。ゼクシオのドライバーを端的に説明すると、そんな特徴を有したクラブだと言える。
これらの特徴は、すべて”やさしさ”のためにある。昔と比べたらドライバーを苦手とするゴルファーは減少した。飛ばすことの楽しみをゴルファーに提供してくれたのがゼクシオドライバーだったといっても過言ではない。
ゴルフクラブの歴史を振り返ってみても、24年の歴史と13代に渡る進化を見せたドライバーは数少ない。ゴルファーが何に悩み、どうすればゴルフをもっと楽しいものにすることができるのか。その答えを追求し、進化してきたのがゼクシオドライバーなのだ。時代やゴルファーのニーズに応じて、きめ細かい作り込みをしながら変遷してきたからこそ、多くのゴルファーに長く支持されている。
“やさしいドライバー”と聞くと大慣性モーメントヘッドを連想しがちだが、ゼクシオが重視したのは振りやすさであることが過去のクラブデータから見ることができる。
振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントは、初代ゼクシオは46インチだったため288万g・㎠と「やや大きめ」だったが、この数値を9代目まで上回ることはなかった。
クラブ全体の慣性モーメントの大小は、クラブの長さ、重さ、ヘッド重量に関係する。クラブが長くなれば数値は大きくなり、ヘッド重量を重くすればボールをインパクトした時の衝撃は大きくなり、打ち出し初速を上げることが可能になるが、ゴルファーは振りにくさを感じることになる。
5代目、6代目のヘッドは189gと軽かったが、それ以外に180g台がないことからも、ヘッド重量は190g台に設定しながらも、どう振り心地を高めるかがゼクシオ進化のポイントと言っていいだろう。
13代目のヘッド重量はゼクシオ史上最大!
ここからはクラブ設計家であり、凄腕シングルの松尾氏に実測データをもとに「ゼクシオ13」ドライバーの性能を試打インプレッションとともに分析してもらいます。
クラブの重さは実測で285.8g(以下、すべて実測値)と軽いですが、クラブ長さが前作から1/4インチ短くなったとは言え、まだ実測で45.63インチと長く、しかもスウィングウェイトがD3.2と「大きい」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントは292万g・㎠と「大きく」なっています。この数値は、ドライバーのヘッドスピードが46m/sくらいのゴルファーにとって、タイミング良く振りやすくなっています。
ヘッドは、全体的に前作の12代目と似たオーソドックスな丸型形状となっていますが、13代目のヘッドは横幅が少し広くなっています。
そして、強いフックフェースとかなり平らなフェース面が特徴で、球をつかまえるイメージと、シャローフェースによる球の上がりやすさがイメージできるヘッドになっています。
実際に試打したところ、アドレスではアップライトなライ角、強いフックフェース、大きめのリアルロフトの3点セットで、高弾道でつかまった球が想像できます。
試打クラブは10.5度で標準『MP1300』のSシャフト仕様でしたが、シャフトはかなり軟らかめの設定で、ヘッドスピードが38~40m/sくらいのゴルファーでも十分に扱えそうです。前述の通り、前作よりもクラブ長さが1/4インチ短くなっているのも特徴で、その分少し振りやすくなっています。
ヘッドの重心深度が深く設定され、13代あるゼクシオの中では最大のヘッド(左右)慣性モーメントになっているため、芯を外れたミスショットに対する寛容性も高くなっているのも特徴です。同時にヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも「非常に大きく」なっており、基本ダウンスウィングでのヘッドの返りが遅くなっていますが、強いフックフェースで調整されています。
ヘッド重量は歴代のゼクシオの中では「最も重い」設定となっており、ヘッドの重みを感じながらスウィングしやすく、適度なバックスピンも入って弾道は安定しています。そして高いインパクト音と爽快感、クラブとしてのやさしさも継承されています。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年1月30日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より
PHOTO(ヘッダー)/Takanori Miki