前傾姿勢をキープするために不可欠な大殿筋のストレッチ
シーズンを通して桑木志帆をサポートしてきた小楠和寿トレーナーは、スウィングに直結するトレーニングに定評がある。桑木自身も「トレーニングしてきたことが成績にもつながって、その大切さを感じています」とシーズンを通してトレーニングを続ける重要性を実感している。

ツアー中でもトレーニングを続け成績につなげた桑木志帆(右)と小楠トレーナー(左)
ここでは、骨盤を起こして前傾した正しいアドレスの姿勢を崩さずに、テークバックからフォローへと骨盤をターンさせるために必要な大殿筋のストレッチを教えてもらおう。
「テークバックの際に大切な右の大殿筋からストレッチしていきます。仰向けになって右足を引き上げ、右手をひざに当て左手は足首を持ちます。そこから背中を床から浮かさないようにしながら右ひざを内側に倒していきます。右のお尻周りが引き伸ばされる感覚を感じましょう」(小楠トレーナー、以下同)

画像A 右の大殿筋をストレッチする場合は、仰向けになって右手で右ひざを抱え左手は左足首に当てる。そこから背中を浮かさないようにしながら右ひざを内側に倒していく
片側10秒を2セットから始めてみよう。呼吸を止めずに息を吐きながら、ひざの角度を深めていくことで少しずつお尻周りの筋肉が引き伸ばされる感覚をつかめるはず。苦手な方向がある場合は、重点的に取り組む必要があるだろう。
スウィングに当てはめてみると、お尻や股関節周りの柔軟性が保たれていれば、下半身は動きすぎない。そうすることによって、しっかりと体幹がねじられ力を蓄えることができる(画像B左)。

画像B スウィングに当てはめてみると、お尻や股関節周りの柔軟性が落ちてくると下半身を逃がしてしまいバックスウィングのエネルギーを蓄えられない
柔軟性が落ちてくると下半身をゆるませて逃がしてしまうので、バックスウィングのエネルギーを蓄えることができなくなってしまう。
フォローサイドでも左の大殿筋の柔軟性が落ちてくると、前傾姿勢をキープできなくなり体を起こすようになってしまい、アーリーリリースやアウトサイドイン軌道といったミスの原因にもなってしまう。
このストレッチを行う上でNGなのは、ひざを倒す際に体も傾けてしまうこと。できるだけ体を一直線にしたままひざを倒していくことで、大殿筋や股関節周りにしっかりとストレッチ効果を感じることができる。

NGなのは、ひざと一緒に体も傾けてしまうこと。できるだけ体を一直線にしたまま、呼吸を止めずにひざだけを内側に倒していこう
続けていると少しずつ可動域の広がりを感じられるはず。年齢を重ねてスウィングが安定しなくなったと感じるゴルファーは、早速試してみてはいかがでしょうか。
取材協力/J’sスポーツボディ