話題の「10K」よりもスゴかった!「500cc」のヘッド性能
GD 今日は3月15日に発売された「PRGR スーパーエッグを打ってみた!」という切り口でクラブの進化について話をしたいのですが、「衝撃を受けた」というのが正直なところです。ちなみに、『スーパーエッグ』は「ルール適合外」のクラブですが、ルールの壁がなくなると、こんなにボールは「飛ぶんだ、上がるんだ」と感じました。
長谷部 そもそもヘッド体積が500ccというドライバーを打つ機会はなかったですね。また、ここまで球を上げることに、こだわって作った斬新なユーティリティ形状のアイアンの試打も初めてだったので、目からウロコという感じでした。球が上がらない、距離が落ちているシニア層に向けた明確なコンセプトを感じることができます。
でも、それがシニアだけのメリットなのかっていうと決してそうではなくて、球が上がらない、飛ばないといった悩みを抱えて、ずっと足踏みしている人たちにゴルフの楽しみを提供する意味でも、ルールに縛られないクラブを作る目的ってあるのだなと思いましたね。
GD 2008年、ゼクシオが5代目になったときドライバーはフルサイズ(460cc)に到達しました。それからかなり時間が経っていますが、フルサイズに到達するまでというのは、大きさによるメリットをゴルファーは享受していたわけですよね。それが止まったために、サイズアップのメリットっていうのはなくなった。でも、今回この500ccっていうのは、もう1回大きくなることの進化を感じたような気がします。
長谷部 もちろん、反発性能が高いという違反だけではなく、慣性モーメントも含めたヘッドの大きさでルール適合外になっています。「違反」っていうのは言葉だけの話であって高機能であるという風に言い換えれば、間違いなく2024年に発表されたテーラーメイドとか ピンとかの「10K」と言われる「慣性モーメントが大きいですよ」というクラブよりも間違いなく高性能なんじゃないかと思います。
上下に慣性モーメントを広げる必要がどこまであるんだ?っていうことを加味しつつ、この500ccのヘッドを打ってみると方向の安定性は間違いなく高いのではないでしょうか。
GD 『スーパーエッグ』のドライバーはカーボンを使わずフルチタンで作られています。
長谷部 フルチタンでここまでできるんだということを考えると、その技術力もさることながら、「カーボンでないとできません、余剰重量どうしよう」と言うことに対してのひとつの提案になりますね。
GD クラウンにボコっと出っ張りがあるじゃないですか。これだと重心が高くなって今どきの低重心設計とは逆のように見えるのですが。
長谷部 クラウンの出っ張りも、もしかしたら稜線が合っていないということでルールにひっかかる形状かもしれません。でも、ルールを度外視すれば、この出っ張りが、テークバックの引きやすさにつながっているように思います。
確かに重心が高くなっているように見えますが、『スーパーエッグ』は素直にバックスウィングができる形状的なメリットを優先させたのだと思います。
GD テークバックの引きやすさをデザインに入れたのは、テーラーメイドが昔、『バーナー』でやっています。あの時は、クラウン部にプリントされたものでした。それが立体的になっていることは、より視覚的効果があるってことですか?
長谷部 効果はあるでしょう。シャローバックのドライバーは、テークバックを低く長くできる人と相性が良くて、みんながみんなアッパーブローに打てるわけじゃないので、すごくいいんじゃないかなと思います。
特にシニア層ってそんなにバックスウィングが大きくなく、低くなんか動かせられない。ひょいっと上げちゃうような人が多いなかでは、そういうタイプに合っているんじゃないかな。
GD このドライバーを使ったことで50ヤード飛距離が伸びるってことはなかったけど、500ccと言われなかったら大きくなっていることに気づかなかったかもしれません。形もちゃんとしているし、構えやすかったので打ちやすかった。
フルサイズより40ccオーバーするだけでこんなに違うものなのかと、大きさのメリットを感じました。シャフトもしっかりしていました。
長谷部 シャフトが軽いのに、ちゃんと手元をしっかり作ってあるのがすごいなって思いましたね。