『パラダイム Aiスモーク』 シリーズの最上位モデル『♦♦♦(トリプルダイヤモンド)』。すでにPGAツアーで実績を積み、国内ツアーでも躍進が期待されるドライバーである。前作『パラダイム ♦♦♦』は、日米男女プロツアーで20勝という圧倒的な結果を残しているが、「それを上回る性能」という声があちらこちらから聞こえてくる。今回は、2024年ツアーを席捲するかもしれない『パラダイム Aiスモーク ♦♦♦ ドライバー』をクラブ設計家の松尾好員氏とともに検証してみた。
画像: 【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●57度 体積●450cc 価格(税込)●9万6800円 ※メーカー公表値

【試打クラブスペック】ロフト角●10.5度 ライ角●57度 体積●450cc 価格(税込)●9万6800円 ※メーカー公表値

上位モデルならではの操作性のよさ

「Aiスモーク ♦♦♦(トリプルダイヤモンド)」は、今回4モデルラインナップされたシリーズ最上位モデルになる。25万のスウィングデータをAIに読み込ませ、「飛距離向上」、「スピン量の低減」、「弾道のバラつきの抑制」の条件から生み出された「Aiスマートフェース」は、4モデルそれぞれ想定するユーザーの腕前が異なるため、ツアープロ、上級者をターゲットとする『♦♦♦』は、必然的にフェース中央の比較的小さいエリアでAiスマートフェース本来の機能が作用するようになっている。

また、上位モデルに見られる特徴が「操作性」になる。大慣性モーメント時代にあっても、ツアーモデルと言われる上位モデルの多くは、レギュラーモデルやドローバイアスモデルと比べると、慣性モーメント(MOI)が抑えられている。

『パラダイム Aiスモーク』シリーズの場合、レギュラーモデルの『MAX』のヘッド左右MOIは5181g・㎠、ネック軸回りMOIは8226g・㎠で、ドローバイアスモデルの『MAX D』は、左右が5275g・㎠、ネック軸回りが8439g・㎠。対して、『♦♦♦』は、左右が4735g・㎠、ネック軸回りが7208g・㎠と圧倒的に小さくなっていることが計測数値に表れている。

クラブ設計家の松尾氏によれば「ネック軸回り慣性モーメントを比較すると『パラダイム ♦♦♦』が7312g・㎠だったのに対して、『Aiスモーク ♦♦♦』 は7208g・㎠と小さくなっている」ことをあげ、Aiスマートフェースによる相乗効果という見方ができるという。

画像: 左が『MAX D』、右が『♦♦♦』

左が『MAX D』、右が『♦♦♦』

『パラダイム Aiスモーク』に至るまでの道のりを振り返れば、2017年の『GBB エピック』が原点と言っていいだろう。

その特徴はヘッドのクラウンとソールをつなぐ「ジェイルブレイク」にあり、2年後の2019年『エピック フラッシュ』でAIフェースが初めて導入された。「ジェイルブレイク」と「AIフェース」は、近年のキャロウェイドライバーの進化にはなくてはならない2つのテクノロジーだったが、『パラダイム Aiスモーク』には「ジェイルブレイク」が採用されなかった。それは、Aiスマートフェースに進化したことで、ジェイルブレイクに頼らなくても、それ以上の性能が出せたからに違いない。

ヘッドの慣性モーメントは、打点のブレるゴルファーにはメリットとなることがあるが、打点の安定しているツアープロや上級者には扱いにくい一面を持っているのも確かだ。

近年の飛距離アップは大慣性モーメントによるところが大きく、多少のミスヒットならヘッドが吸収してしまうといった見方ができる一方で、弾道をコースに合わせて作りたい技巧派にしてみれば、大慣性モーメントは逆に扱いにくさを生じさせることも考えられる。ミスショットに対するやさしさをツアーモデルには期待しないほうが良く、クラブに多少でも助けてもらいたいのであれば、レギュラーモデル、もしくはドローバイアスモデルがいいだろう。それよりも操作性を重視したいならツアーモデルという選択になる。

『パラダイム Aiスモーク』シリーズに関して言えば、『♦♦♦』の左右のMOI、ネック軸回りのMOIは『標準』。『MAX』、『MAX D』はともに左右MOIが「大きい」、ネック軸回りMOIが「非常に大きい」ので、シリーズでも性能の違いがはっきり出ていると言えるだろう。

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