『パラダイム Aiスモーク』 シリーズの最上位モデル『♦♦♦(トリプルダイヤモンド)』。すでにPGAツアーで実績を積み、国内ツアーでも躍進が期待されるドライバーである。前作『パラダイム ♦♦♦』は、日米男女プロツアーで20勝という圧倒的な結果を残しているが、「それを上回る性能」という声があちらこちらから聞こえてくる。今回は、2024年ツアーを席捲するかもしれない『パラダイム Aiスモーク ♦♦♦ ドライバー』をクラブ設計家の松尾好員氏とともに検証してみた。

操作性は高いが、基本性能はフェード系

ここからは実測データをもとに凄腕シングルでもある松尾氏に、他の『パラダイム Aiスモーク』シリーズと比較しながらクラブ分析と試打レポートをしてもらいます。試打および計測ヘッドはロフト角10.5度、シャフトは「標準 TENSEI 60」のフレックスS。掲載数値はすべて実測値となります。

「ヘッドの慣性モーメント」と「ヘッド体積」は『パラダイム Aiスモーク』シリーズの中で最少となっている

ヘッドを見てみると4種類のAiスモークモデルの中ではヘッドの横幅が狭く、やや三角形型に見える小ぶりなヘッドです。そして、フラットなライ角と『パラダイム Aiスモーク』モデルの中で一番強いオープンフェース、大きなフェースプログレッション(グースネックと逆)で球をつかまえ過ぎないイメージが湧きます。4モデルの中ではフェースの丸みも綺麗についています。

クラブの長さは45.0インチと最近では「やや短め」に感じます。クラブ重さが310.7グラムと「重く」、スウィングウェイトもD3.7と「非常に大きい」ので、クラブの振りやすさの目安となるクラブ全体の慣性モーメントが292万g・㎠と大きいです。計測数値から推察するとドライバーのヘッドスピードが46㎧くらいのゴルファーにとってタイミング良く振りやすくなっています。

『パラダイム Aiスモーク』シリーズの中ではヘッドの慣性モーメントが最も小さく、ミスヒットに対する寛容性は高くありません。ヘッド体積も443ccと最小なのも特徴のひとつです。フェースの高さは『パラダイム Aiスモーク』シリーズの中で最も高く、ディープフェース設計になっています。

実際に試打したところ強いオープンフェース設定と、フラットなライ角設定のおかげで球をつかまえ過ぎないイメージでアドレスできます。シャフトは適度にしっかりしていたので、インパクトの再現性も良かったです。

フェース面のスイートスポットがフェース中央よりもトウ寄りに設定されたフェードバイアスヘッドなので、フェード系弾道が打ちやすくなっているのが特徴です。『パラダイム Aiスモーク』シリーズの中で最小のヘッドの慣性モーメントなので、それに伴ってヘッドのネック軸回りの慣性モーメントも、シリーズ中で最小になっています。よってダウンスウィングでのヘッドの操作性が良く、インテンショナルに上下左右に弾道を操作しやすくなっているのが特徴です。またインパクト音は低く引き締まった音でした。

画像: 上が標準モデルの『MAX』、下が『♦♦♦』。『♦♦♦』はトウ寄りの重心位置に設定されている

上が標準モデルの『MAX』、下が『♦♦♦』。『♦♦♦』はトウ寄りの重心位置に設定されている

ヘッドスピードが45㎧以上でこの『♦♦♦』を振り切れれば、飛距離性能は『パラダイム Aiスモーク』シリーズの中で最も高くなりそうです。「強いオープンフェース」、「トウ側の重心設計」、「操作性の高いヘッド」の3点セットで弾道をコントロールしながら「フェード系」が打てます。

※週刊ゴルフダイジェスト 2024年3月26日号「ヘッドデータは嘘つかない!」より

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