小祝さくらは、今シーズン、日本女子プロゴルフ協会のプレーヤーズ委員会委員長の大役を務める。「4月の頭に皆で集まってお話などをするんですけど、具体的に何に取り組んでいくか、今年の改善点などは、そこで話し合ってからある程度見えてくるのかなと思っています」。選手の代表として、皆の意見をまとめたり、中心となって協会と話をしたりする。今まで〝まとめ役〟などはやったことがないというさくら。
「基本、そういうのは避けてきたので。初めてやるんです。あんまり向いていない気がするんですけど、先輩たちに助けてもらいながら頑張りたいと思います」。焦らず気張らず、そのままの自分で大役もこなすのだろう。
今年からスロープレーが罰金化されることを聞かれても、「すごくいいルールだと思います。もともとそういう罰則はあったんですけど、さらに厳しくなる。皆もっと意識すると思いますし、私もしっかり気を付けながらプレーをしたいと思います」
プレーの早さには定評があるさくら。こちらは自分のプレーで〝お手本〟を示す形になるのかもしれない。グリーンの傾斜などが詳細に書かれたグリーンノートの使用が禁止されることに関しても、「余計なことを考えずに済むので、シンプルになって、意外に私には影響はないですね」。
今、自分で考えながら練習もスウィングも作っている。「不安もあるけど楽しみのほうが大きいです」と相変わらずおっとりと語るさくら。プロゴルファーとなって7年、トレーニングも含めて自分の「ルーティン」を確立してきた。
今年26歳。ゴルフへの取り組み方も、普段の生活も、あくまで自然体。だから先輩とも後輩とも、すぐに打ち解け親しくなれる。
一緒にプロ野球観戦をしたりする仲が良い5つ下の竹田麗央からは、ゴルフでも学ぶことがあるという。「パターもショットも上手いんですけど、今回はアプローチで、打ち方やどういうイメージで打っているのかを聞いて参考にしました」
開幕戦のダイキンオーキッドレディスはギリギリでの予選通過に見えたが、3日目に5アンダー、最終日に2アンダーと伸ばし結果は9位タイ。2戦目の明治安田レディスヨコハマタイヤはいつの間にか優勝争いに加わり2位タイ。3戦目のVポイント×ENEOSも雨中のプレーオフの末、2位。さすがである。
若い勢いを感じながら、強い同期に刺激されながら、先輩たちに学びながら、小祝さくらは自分らしく、今年もいいスタートを切っている。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年4月2日号より(PHOTO/Tadashi Anezaki)