今週、いよいよ国内男子ツアーが開幕する。2024年4月9日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、平田憲聖、杉浦悠太、鍋谷太一、杉原大河 4人のインタビューを掲載している。誌面には掲載しきれなかったオフのエピソードやリラックス方法など、彼らの“素顔”を紹介しよう。

あいつが頑張ってるから頑張ろう! と思われるプロになりたい【鍋谷太一】

昨年、初シード選手として迎えたシーズンを賞金ランキング7位の好成績で終えた鍋谷太一。
プロ入り12年、何度ゴルフを諦めようと思ったかわからないという。今はゴルフが楽しい?

「そうですね…楽しいことばかりじゃないけれど、諦めなくてよかったということは伝えていきたいです。僕は若い選手に負けるから悔しいということはなくて、もちろん一番になりたい気持ちはありますけど、自分のできることとできないことを理解して、自分をしっかり知って試合に臨んでいきたいんです」

誰か一人でも、「あいつが頑張っているから頑張ろう」と思ってもらえるようにしたいという鍋谷。
「影響力のある人になりたいんです。男子プロは女子プロに押され気味なので、男子の人気も回復したい。本当に皆すごいレベルでやっているのでたくさんの人に見てもらえたら嬉しいです」

画像: なべたに・たいち。2012年にプロ宣言、昨年初優勝を遂げた。

なべたに・たいち。2012年にプロ宣言、昨年初優勝を遂げた。

そんな鍋谷の憧れは石川遼。

「僕、完全に石川遼世代ですから。遼くん、今でも大好きです。本人には言ってないですけど、好きなことはバレていますね(笑)。顔もええけど性格もええし、人間としても完璧で言うことない。遼くんのことはそのへんのおばちゃんやおっちゃんも知ってるやないですか。でも鍋谷太一って聞いたら、誰? って言われますわ。そこの差って(笑)。1週間でいいから入れ替わってくれたらどんな感じかな。でも大変なんでしょうね……」

鍋谷のリラックス法は、子どもや飼っている犬と遊ぶこと。

「どちらも僕が予選落ちしようが何しようが関係ない。帰ってくるだけで喜んでくれるんです。それが最高に僕にとっての癒しやし、『頑張ろう!』となります。何色にも染まっていない気持ちって大人になったら忘れる。そういう気持ちを持ちながらやっていこうとも思わせてくれるんです」

そして苦労した時代を支えてくれた奥さんにも大きな感謝の気持ちがある。

「嫁さんは、お金がないときから一緒におるから。今はまず生活がきちんと普通にできていることがありがたいですね。何も気にせずにご飯食べたりできるから。前は僕、イチゴを買うなと言ってました。高いからって。今はイチゴが買えます(笑)」

このオフは、賞金ランク30位以内の希望者が受けられるアジアンツアーのQTファイナルを受けて通過。

「結果もですが、僕にとっては試合が合宿感覚なんです。本気の試合モードでやらないと、距離感やマネジメントは学べない。それに20歳のとき、(アジアンツアーの)QTを受けたコースと同じでした。だから、自分がそのときよりレベルが上がっていることを感じられたし、一緒に回った選手が欧州で3勝しているワン・ジョンフンで。刺激を受けられて面白かったです」

画像: 今年の課題はパーオン率だという。

今年の課題はパーオン率だという。

今年の目標は2勝目と海外メジャーに行くこと。

「日本シリーズJTカップでも優勝したいですね。30人しか行けないし、昨年初めて出場して、見たことのない景色でした。優勝スピーチは全員の前で話をするんですけど、29人が悔しい思いをしているなかでしゃべれるので、いいなあと(笑)」

鍋谷の気迫あるプレーとともに“トーク”にも注目したい。

オフはアメリカの松山英樹の元で研鑽を積む【杉原大河】

昨年賞金ランキング36位に入り、初シードを獲得した杉原大河。プロ入り後ずっと苦しい日々が続いたという。

「結果的に、プロ入り初年度も裏シードが取れて段階は踏めていると思っている人がいるとは思いますけど、とにかく苦しかった。プロになってからはナーバスになった記憶が多いんです。もちろん実力が足りなかったことが前提としてあるんですけど、メンタルに負けてしまう実力でした。やっぱりアマチュアのときは何も考えなくてよかったんですけど、プロになってお金を稼ぐとなったとき、気持ちの面で邪魔するものが出てきます」

画像: すぎはら・たいが。2019年ABEMAで史上3人目のアマ優勝に輝き、昨年は初シード獲得。

すぎはら・たいが。2019年ABEMAで史上3人目のアマ優勝に輝き、昨年は初シード獲得。

プロ入り後、皆が通る道かもしれない。しかし、通りたくはない道である。そしてその道を、同世代が活躍しながら通り抜けていく。「自分が同じ舞台にすら立てていないところに一番の悔しさがありました」

そんななか、大学の大先輩であるPGAツアーのトッププロ、松山英樹と練習をする機会を得た。松山からアドバイスを受け、自分でスウィングを考えて作り直し、自分を取り戻してきたという。

そんな杉原のリラックス法は野球やサッカー観戦。漫画やアニメも好きで『キングダム』はずっと読んでいるという。

「海外サッカーをここ1年くらい、イングランドのプレミアリーグのリバプールが好きで見ています。ジェラードのファンで、ユニフォームもカッコいい。ちょうど見始めた頃、チャンピオンズリーグでバルセロナに大逆転勝利したんです。日本のプロ野球も好きで、日ハムが好き。最初は大谷(翔平)さんが好きで、高2で北海道のブルックスで開催された日本アマに出たとき、親と札幌ドームで観戦しました。チームの雰囲気がすごく明るいし皆が伸び伸びしているのを見てチームのファンになったんです。昨年のANAオープンのとき、エスコンフィールドにも行きました。めっちゃきれいでしたよ。試合には負けたんですけど……。僕、ガチファンなので見られてよかったです。あ、狐ダンスは踊れないです。映像でも出てきたら飛ばしますから(笑)」

画像: 積極的にバーディを取りに行くところ、飛距離に注目して欲しいという。

積極的にバーディを取りに行くところ、飛距離に注目して欲しいという。

大谷翔平のどこが好きか聞くと、「単純に打って投げるのがカッコよすぎます。今までそんな人はいなかったので」と語る杉原。

「実は僕のボールの刻印、大谷さんの2チーム分の背番号を入れて、『大河1117』なんですよ」

オフはアメリカの松山の元へ飛び、プチ合宿で多くのことを学んだという。
「とにかくすべてがすごいです。(PGAの)試合も付いて見ましたが、普段からやっていることを試合でもやっているだけ。でもそうして普通に試合に持っていけるのがすごいです。僕が言うのも失礼ですけど優勝もまったく驚きはしないです」

今年の目標は「レギュラーツアー優勝。勝てる試合はしっかり勝てるように。あとは海外に行くチャンスもあるので、そこを目標としてやっていければなと。ランキングも意識しながら、可能な限り挑戦したいです」。

英樹と翔平。2人のビックスターからパワーをもらいながら、心技体すべてを整え、誰も通ったことのない道を目指す杉原に注目だ。

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若手の台頭もあり、見ごたえのある試合も魅力のある選手も増えてきている。28日から始まる東建ホームメイトカップ、是非若手にも注目して観戦してはいかがだろうか。

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PHOTO/Tadashi Anezaki、Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa

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