ツアーAD VF「6X」に合うのはどのヘッド?
「中間から先端の剛性が高く、フェースがかぶって入らない、左へのミスを防いでくれるシャフト」とプロや上級者からの評価が高いグラファイトデザインの最新モデル「ツアーAD VF」。
最終回となる今回も、シャフト重量が67グラムとほぼ70グラムに近いハードなモデル「6X」で、堀口宜篤氏とヘッドとのマッチングを検証していく。
「ツアーAD VFは中元調子で先端がしっかり、いろいろな球種を打ちわけやすいシャフトです。慣性モーメントの大きさで話題の『G430 MAX 10K』と組み合わせたらどうなるのか気になりますね」(堀口氏)
ちなみに堀口氏の普段のヘッドスピードは47~48m/s。計測にはGCクワッド、ボールはタイトリストProV1を使用した。
まずはスタンダードモデル「G430 MAX」
ツアーAD VF(6X)にG430 MAX(10.5度)を装着して試打開始。
「構えるとヘッドが大きく見えて安心感がありますね。ピンは全体的につかまりのいいクラブという印象ですが、フェースがかぶって見えることもなく、黒いヘッドが締まって見えます」(堀口氏)
試打結果(ベストボール3球の平均値)
キャリー:245ヤード(最長247ヤード)
総距離:267.6ヤード(最長270ヤード)
スピン量:2664rpm
ボールスピード:66.9m/s
ピーク:24.6ヤード
「最初からいい組み合わせですね。VF(6X)と組み合わせてもつかまりの良さが残っています。振りにいっても左に行く不安は少ないです。どちらかと言うとフェード系の人と相性が良さそうかな。左を消してパワーフェードで打っていきやすいと思います」(堀口氏)
「これまで他社のヘッドで打ち比べしてきましたが、比べるとヘッドの重さを感じやすく、ハードなVF 6Xでも一番"しなり"を感じやすいですね。無理につかまえたり、逃がしたりしなくていい、オートマチックに振れる組み合わせです」(堀口氏)
飛距離重視ならコレ!「G430 LST」
続いて低スピンモデルのG430 LST(10.5度)で試打。
「ヘッドはコンパクト。やはりヘッドの"ずっしり感"がありますね。しなりを感じやすくタイミングが取りやすそうです」(堀口氏)
試打結果(ベストボール3球の平均値)
キャリー:257ヤード(最長264ヤード)
総距離:284ヤード(最長294ヤード)
スピン量:2099rpm
ボールスピード:68.1m/s
ピーク:23.6ヤード
「これは左に行かないですね。左に行く気配もありません。低スピンモデルらしく平均2000rpmほどですがロフトが10.5度なので弾道が低すぎることもなく、中弾道の強いボールでランも出てくれます。振れば振るだけ飛ばせる組み合わせですね。頑張って振りましたがここまで飛ぶとは驚きです」(堀口氏)
この組み合わせはやさしい! 「G430 SFT」
つづいてスライサーの味方、ドローバイアスの強いG430 SFT(10.5度)で試打。
「今回の試打テストでは、ハードなツアーAD VF(6X)とつかまりのいいヘッドという組み合わせで好印象が出ているので、この組み合わせも期待できますね。さっそく打っていきましょう」(堀口氏)
試打結果(ベストボール3球の平均値)
キャリー:237ヤード(最長240ヤード)
総距離:256.6ヤード(最長259ヤード)
スピン量:3170rpm
ボールスピード:66.4m/s
ピーク:26.6ヤード
「これは楽です! またいい組み合わせが出ましたね。ヘッドがボールをつかまえてくれる感じ。スライスを打ちにいってフェードなので、フェードが打ちやすいシャフトに対し、ヘッドのつかまりが勝っていますね。右がまったく怖くありません。飛ばすにはある程度のヘッドスピードが必要ですが、スピンもしっかり入ってキャリーも出ますし、コースで使いやすい組み合わせですね」(堀口氏)
「強い弾道で飛ばしたいけどスピンが少なくてボールが上がりきらない方や、パワーのあるスライサーにおすすめです」(堀口氏)
安定感重視なら「G430 MAX 10K」
最後に話題の大慣性モーメントモデルG430 MAX 10K(10.5度)を試打。
「構えるとヘッドが大きいです。操作性の良さは感じませんが、おかげで細かいことを意識せずに『上げてドンと叩いてやるぞ!』って気になれますね」(堀口氏)
試打結果(ベストボール3球の平均値)
キャリー:250.6ヤード(最長259ヤード)
総距離:272ヤード(最長284ヤード)
スピン量:2633rpm
ボールスピード:67m/s
ピーク:28.6ヤード
「直進性がすごいですね。この組み合わせだと左にも右にも行きません。安定感は間違いなく断トツです。スピンはしっかり入ってくれてキャリーも出ますが、曲がり幅は圧倒的に小さいです」(堀口氏)
「やさしいヘッドという印象だったので、もっとボールが上がるかと思いましたが、シャフトの特性でしょうかそこまで上がりませんね。日本は狭いコースが多いので、一切曲げたくない人、一発の飛びより安定感を求める人におすすめの組み合わせです」(堀口氏)
今回は「G430 MAX」「G430 LST」「G430 SFT」「G430 MAX 10K」の4モデルと組み合わせた。それぞれ個性がはっきりしているので、振った感覚、計測した数値ともに違いが表れると堀口氏。
「ツアーAD VFと組み合わせることで、「G430 LST」の飛距離性能を引き出せたり、「G430 SFT」のドロー設計をパワーフェードに生かせたり、試打するほど新しい発見があると思います。今回はツアーAD VF(6X)限定での試打でしたが、他のフレックスも含めて、ぜひ試してみてほしいですね」(堀口氏)