「週刊ゴルフダイジェスト」の5月7日・14日合併号では、中島啓太の独占インタビューを掲載している。誌面に入りきらなかった中島啓太の“いま”を「みんゴル」読者にお届けしよう。

今年のマスターズは自宅のテレビで見て、日本選手の松山英樹や久常涼を応援したという中島啓太。

画像: 特別招待を受けてマスターズに初出場した久常涼と21年マスターズ覇者の松山英樹(撮影/Blue Sky Photos)

特別招待を受けてマスターズに初出場した久常涼と21年マスターズ覇者の松山英樹(撮影/Blue Sky Photos)

「僕の日本の賞金王よりは久常涼の欧州の新人王のほうが本当に価値があると思うので、素直に応援できました。もし今年マスターズに僕が行ったとして、100%の状態ではないので、正直苦戦するというイメージが湧いていたんです」

しかし、DPワールドツアー参戦6戦目にしてヒーローインディアンオープンで優勝した自身も、今年のツアーでのルーキーオブザイヤーを狙っている。

「1勝したことで可能性はあるかなと思います」

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松山英樹が「来年は(PGAツアーは)4人になるかもしれないし」と言っていた。

「確かに、たくさん日本人が行ったほうがゴルフ界は盛り上がりますし、松山さんも10年くらい1人でやってきて、後輩たちが行くことになればすごく楽しいかなと思うので、まだ全然わからないですけど、アメリカに行けるように努力はしたいと思います」

欧州ツアー新人の中島啓太は、今、新しい気持ちで多くのことを学んでいる。

「予選カットラインを意識しながらの試合は日本でもしていましたし、プロとして一番大事なところではあると思うので、そこは意識しながらやっていますけど、トップ選手でも予選落ちはしますし、意外と皆さんそんなに落ち込んでいないというか、すごく切り替えが早いなと感じます。選手ラウンジでの過ごし方などを見て、意外とすっきりしているというか、試合はたくさんあるから、また次という雰囲気なんです。でも、予選落ちをしない人はいないと思いますし、もちろんショックはありますけど、そこまで落ち込むことなくやっていこうと思います」

またこのオフ、新しい取り組みとして、以前からファンの読売ジャイアンツのなかでも、ずっと憧れの選手、菅野智之投手とハワイで合宿を行った。

「欧州ツアーという新しい場所に挑戦するということで、野球選手と一緒に合宿するという新しい試みを。すごくワクワクしていましたね。もちろん競技が違いますし、団体スポーツ、個人スポーツという違いもある。でも、一緒にトレーニングしたり走らせてもらい、ダッシュしたり、長距離も走ったり。走ることはすごく大事だと思ったので、これからも続けていこうと思います」

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ピッチャーとバッターの走るメニューは違うが、どちらもいいと思ったので両方取り組んだという中島。貪欲だ。

「2週間ほど同じ家に住ませてもらってお話もいろいろして、私生活での気配りなんかも勉強になりました」

画像: 中島啓太のISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 2024での練習日のセッティング。FWをSIM2 MAXからQi10へ、UTをステルス2 レスキューからステルス UDIへ変更している(撮影/有原裕晶)

中島啓太のISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント! 2024での練習日のセッティング。FWをSIM2 MAXからQi10へ、UTをステルス2 レスキューからステルス UDIへ変更している(撮影/有原裕晶)

ゴルフ的な課題はショートゲームだった。

「タフなピンポジションになっていくなかで、もっと質の高いショートゲームが求められることが多くて。風も加わってくるので、もっと難しいシチュエーションになる。オーストラリア合宿では、風に対しての打ち方を教わったり、それをシンガポールでもインドでも意識ながらプレーしました」

日本と違って“重たい風”も多いという。

「基本的に風がない日がないので、きれいなスウィングをするというよりも、ボールをコントロールすることを大事にしています。あまりスウィングにはこだわらずにボールの飛び方やデータにこだわってやっていきたいです」

また、東京ドームでの始球式も経験。「元々お話をいただいていましたけど、優勝したあとだったので、いいタイミングでしたし、本当に緊張しました。でも、マウンドに上がったときはすごく気持ちよかったです」

草野球のピッチャーをして楽しんだりもする中島。それなりに自信はあったようだが、投球はワンバウンドになってしまった!

「ブルペンではすごく調子がよくて、菅野さんにはマウンドは意外と傾斜があるのでスパイクを履いていないと滑りやすいから、気を付けろというのと、僕はキャッチャーじゃないのでショートバウンドだけはやめろよということを言われていたんですけど……実際やっぱり慣れていないのでショートバウンドになってしまいました(笑)」

帰国後、多少のリラックスを交えながら、変わらぬ準備に励んできた中島。

Just Keep Going

4月25日から、太平洋C御殿場Cで開催される欧州と日本ツアーの共催試合「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」に凱旋出場する。

中島啓太に「金谷拓実」「蟬川泰果」「平田憲聖」について聞いた

ツアーを引っ張る若手、中島啓太、金谷拓実、蟬川泰果、平田憲聖。これまでもそれぞれに、ライバルたちの強さの秘密を聞いてきた。今回、中島啓太に聞いて、コンプリートだ!

関連記事:「中島啓太はそつがない」「金谷さんはメンタルエグ強!」 蟬川泰果と金谷拓実が「ライバルの強さの秘密」を”マジ”に語った!

まず、先輩でありよきライバルの金谷拓実に関しては、「金谷さんは、2022年までは初日が苦手で、ショット力少し欠点だったという印象だったんですけど、昨年は初日でビッグスコアを出したり、上位にいっている場合は間違いなく優勝争いに絡んできますし、ここでバーディは取らないだろうというホールや試合展開でバーディを取ってくるイメージですね。あとは僕がバーディを取ったら次のホールでバーディを取り返したり。そういう試合展開にもっていけるのも強さという感じがします」

画像: 記念すべき第100回の日本アマ決勝で対戦した中島啓太と金谷拓実。中島にとって金谷はライバルであり良き先輩(撮影/岡沢裕行)

記念すべき第100回の日本アマ決勝で対戦した中島啓太と金谷拓実。中島にとって金谷はライバルであり良き先輩(撮影/岡沢裕行)

同級生の蟬川に関しては「泰果はすごく気持ちの強い選手で、いい意味で周りが見えていないというか(笑)。自分のプレーに入ってハマれば、手を付けられないくらい勢いに乗ってしまうという選手です。逆に周りが見えていないぶん、もったいないミスをするというか、そういうときに僕が冷静になったり、しっかり周りを見ながら試合の展開を考えてゴルフができると隙が見えてくるので勝てるチャンスがあると思います。ただ、本当に勢いに乗ったら誰も手を付けられないような選手だと思います」

画像: 中島啓太が「爆発力が魅力」という蟬川泰果(写真は2023年ソニーオープン・イン・ハワイ3日目、撮影/Blue Sky Photos)

中島啓太が「爆発力が魅力」という蟬川泰果(写真は2023年ソニーオープン・イン・ハワイ3日目、撮影/Blue Sky Photos)

同じく同級生の平田憲聖に関しても、「彼もすごい選手で、同世代では憲聖、泰果、鈴木晃祐たちと学生時代はよく戦っていましたけれど、憲聖が一番上手いなって思っていました。高校生のとき、金谷さんとその話をしたこともあって、『憲聖は絶対プロになって勝つと思う』という話をしていたんです。すごく安定感があり、ショートアイアンの距離感も上手ですし、他人は他人でどうでもいいみたいなプレースタイルが僕はすごく好きなんです」

画像: 2023年の~全英オープンへの道~ミズノオープンではプレーオフを戦った。蟬川とは逆に「安定感のあるプレーが好き」と中島が話す平田憲聖(撮影/姉崎正)

2023年の~全英オープンへの道~ミズノオープンではプレーオフを戦った。蟬川とは逆に「安定感のあるプレーが好き」と中島が話す平田憲聖(撮影/姉崎正)

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