うすい・れいか。1998年生まれ。栃木県出身。 3歳からダンスやバレエを習 い、宝塚歌劇団に憧れていた。9歳からゴルフを始め、 2018年プロ転向。2021-22 年に初シード、今シーズン アクサレディスで初優勝を遂げた。自身のアパレルブランド「Chell classy」もプロデュース。
アクサレディス最終日が雨で中止となったとはいえ、初日65、2日目66 のビッグスコアを並べ、2日間トータル13アンダーという堂々の勝ちっぷりだった。
おおもと・けんたろう。1974年生まれ。宮城県出身。
ショートゲームを中心に、スウィング理論からメンタル、フィジカルまで教える理論派。2018年PGAティーチングプロアワード最優秀賞受賞。現在、女子プロの東浩子、藤田さいき、臼井麗香、永嶋花音などを指導中。 GPC恵比寿主宰。
【パター】狭いスタンスにはワケがある
GD 臼井プロは優勝したアクサレディスで、2日間で14個のバーディを奪っています。
大本 もともとパットが得意ですからね。臼井プロの特徴は、体の前傾が浅いことです。
GD 立ち気味ということ?
大本 そうです。ボールを近くから見ると過緊張が起こって、筋肉がスムーズに動かなくなるんです。
GD えっ、そうなんですか!
大本 小さくかがむ選手にパット巧者はいませんよ。
GD なるほど。
大本 それと、わきを締めるように上腕を外旋すると、肩甲骨を使って正確にストロークできます。逆に、ひじを張るように上腕を内旋させると、腕だけを動かしやすくなってしまいます。やってみるとわかりますが、スタンスを狭くすると腕を外旋させやすく、スタンスを広げると腕は内旋しやすくなります。それで、臼井プロは自然とスタンスが狭くなっていったわけです。
臼井プロのポイント① ちょっと立ち気味でアドレスする
「ゴルファーの体は、ボール近くに顔を持っていくほど過緊張が起こって、筋肉がスムーズに動かなくなります。そのため、目と地面を離して立ち気味で構えると、ストロークがスムーズになるんです」(大本・以下同)
臼井プロのポイント② 上腕を外旋させてストロークする
「スタンスを狭くすると、上腕を外旋しやすくなり、肩甲骨を使って正確にストロークしやすくなります。スタンスを広げると上腕が内旋して、ひじを張りやすくなり、腕だけのストロークになりがちです」
臼井プロのポイント③ 左手を下にしたクロスハンドグリップ
「クロスハンドのメリットは右肩が前に出にくいため、スクエアに構えてスクエアに打ちやすくなることです。ただし、右手の感覚を殺すので、右手のフィーリングで距離感を作りたい人には不向きです」
【アプローチ】アプローチの基本は1ヤード刻みのキャリー
GD 臼井プロのアプローチのポイントは何ですか?
大本 アプローチは狙った地点にいかに正確にボールを落とせるかがもっとも重要です。もし、ピッチ&ランでキャリー5ヤードから10ヤードを完全カバーできたら、アプローチの8割はピンに寄せられます。
GD ということは、臼井プロはアプローチのキャリーの距離感を磨いたんですか?
大本 もともと距離感に優れた選手なので、キャリー5ヤードから10ヤードまでを1ヤード刻みで正確に出せるようにしていました。
GD 1ヤード刻みですか!
大本 アマチュアの場合、そこまでシビアに鍛え上げる必要はないかもしれませんが、自分なりの打ち方で、落とし所にボールを落とす練習を繰り返していけば、寄せワンの確率は確実にアップします。
臼井プロのポイント① ボールを右側に置いてスピンを入れる
「ボールを右めに置いて、やや上からヘッドを入れて少しスピンを入れています。打ち方としてはやや高度ですが、ライが悪くても打ち方を変えずに対応でき、グリーンのスピードが速いツアーでは距離感を出しやすいんです」(大本・以下同)
臼井プロがやっている練習法 ピッチ&ランのキャリーを1ヤード刻みでコントロール
「キャリー5ヤードから、6、7、8、9、10ヤードと、1ヤード刻みでキャリーを出す練習です。グリーン上の落とし所をコントロールできれば、アプローチの8割くらいはカバーできます。アマチュアなら、2ヤード刻みのキャリーがおすすめです」
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臼井麗香のショットやメンタリティについては、2024年5月28日号の「週刊ゴルフダイジェスト」とMyゴルフダイジェストにて掲載中!
PHOTO/Hiroaki Arihara、Shinji Osawa、Tadashi Anezaki
THANKS/アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 2024、 富士フイルム・スタジオアリス女子オープン、 アコーディア・ゴルフ技術研究所
※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号「レイチェル、これで勝ちました! 臼井麗香5つの開眼」より一部抜粋