「リゾートトラスト レディス」で今季初優勝を飾った岩井明愛。今季のパーオン率も1位にランクされたスウィングをみんなのゴルフダイジェスト特派記者でプロゴルファーの中村修が解説。

今季初優勝を飾った岩井明愛

前週の「ブリヂストンレディス」で5位タイで終え、浮上のきっかけをつかんだ翌週には優勝するという、勝ち切れる強さを見せた岩井明愛選手。4日間大会では初制覇となりましたが、最終日のバックナインを4アンダーでプレーし改めて心技体の高さを印象づけました。

今大会では4日間を通じて安定したドライバーショットに加えて、パッティングのタッチも良く合っていました。11.5フィートのグリーンスピードに大きな傾斜で面に分かれたグリーンに対して期間中に3パットは1回もなく、最終日は26パットと冴えわたりました。

画像: 「リゾートトラスト レディス」で今季初優勝を飾った岩井明愛(写真/大澤進二)

「リゾートトラスト レディス」で今季初優勝を飾った岩井明愛(写真/大澤進二)

優勝会見でパッティングについて質問すると「いつもスタート前に10ヤードの距離を合わせていることが良かったのかなと思います」と普段から取り組む練習方法が功を奏したようです。

流れるようなスムーズな明愛のスウィング

それでは最終日のバックナインで後続を突き放したスウィングを見てみましょう。

明愛選手のスウィングの特徴は、流れるようなスムーズさにあると考えます。まずはトップからの切り返しのスムーズさから解説します。手首を柔らかく使いながらヘッドを動かしテークバックすると、クラブがトップの位置に入る前に下半身は切り返していきます。頭の高さや前傾姿勢が変わらないので体を中心にクラブが円運動しているように見えています。

画像: 流れるようなスムーズな岩井明愛のスウィングの特徴はバックスウィングの後半で下半身はダウンスウィングに入ること(写真/姉崎正)

流れるようなスムーズな岩井明愛のスウィングの特徴はバックスウィングの後半で下半身はダウンスウィングに入ること(写真/姉崎正)

ベルトやロープなどを使って素振りをしてみると、バックスウィングの後半でダウンスウィングに入ることで体の動きの連動性とクラブの動きがマッチアップする感覚が感じられるはずです。そうすると体の柔軟性も関係してきますが、上半身と下半身の捻転差も作れるようになっていきます。

ヘッドが手元を追い越すタイミングと再現性が高い

そしてもう一点の特徴は、柔らかく使う手首によってクラブヘッドがよどみなく、まるでレールの上を進むようにスムーズに加速し、ヘッドが手元を追い越すタイミングも秀逸で再現性も高いことが挙げられます。

画像: 手首を柔らかく使いながらまるでレールの上をクラブヘッドが進むように手元を追い越していく(写真/姉崎正)

手首を柔らかく使いながらまるでレールの上をクラブヘッドが進むように手元を追い越していく(写真/姉崎正)

体の中心部の動きでバックスウィング方向からフォロー方向へと方向転換させ、手首を柔らかく使いヘッドを効率よくスムーズに加速させ振り抜くことで、流れるようなスムーズなスウィングに見えています。

コントロールショットではヘッドは手元を追い越さない

一方で方向性を確保しながら距離感を合わせるようなショットの場合は、ヘッドが手元を追い越し過ぎないようにすることでヘッドスピードをコントロールしています。このフルショットとコントロールショットの使い分けの精度が高いことが明愛選手のプレースタイルになっています。

画像: 方向性と距離を合わせるショットではヘッドを走らせ過ぎることなくスピードとフェース面をコントロールする(写真/中村修)

方向性と距離を合わせるショットではヘッドを走らせ過ぎることなくスピードとフェース面をコントロールする(写真/中村修)

そして最終日のバックナインでも自分のプレーに集中し、持てるパフォーマンスを発揮できる心技体が出場選手の中で最も高かったことが優勝という結果になって表れたのではないでしょうか。

今週は「全米女子オープン」に日本勢は最多の21名が出場します。好調なまま渡米する明愛選手を含めて日本勢の活躍に期待しましょう。

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