飛ぶドライバーとはどういうものか? 試打のスペシャリスト堀越良和プロに聞くと、アマチュアにこそ知ってほしい「ドライバー選びの分岐点」があるという。2024年6月11日号の「週刊ゴルフダイジェスト」で特集された飛ぶクラブの新基準を、「みんゴル」読者にもお届けしよう。

ロフト12度のクラブを買う前にできること

HS40m/s前後といえば、アマチュアのボリュームゾーンといえる。多くのアマチュアが参考になるという飛ぶドライバー選びの新基準。それが「ロフト多めのヘッドで打ち出し角を上げよう」だ。だが、現状、ロフト9.5度、10.5度を使うアマチュアも多い。すぐにロフト11度や12度のヘッドに買い替えるのは難しいし、なにかいい方法はないのだろうか?

「最近のドライバーは、カチャカチャが付いているモデルが多いですから、まずはカチャカチャでロフトを寝かせてみましょう」カチャカチャとはネック調整機能のこと。可変スリーブによってシャフトの入れ方を変えることでロフト角が変えられるのだ。

「メーカーにもよりますが、0.5~1.5度くらいロフトを寝かせることができます。ここで注意したいのが、ロフト角が変わるだけでなく、フェースアングルやライ角も変わってしまうことです。その影響は知っておいてください。ロフトを寝かせるとフェースアングルはかぶり、立たせると開くのが一般的です。ただ、HS40m/s前後のアマチュアであれば、ロフトを寝かせてフェースがかぶったとしても球が上がりやすくなって、つかまりがよくなるだけなので問題はないはずです」

確かにカチャカチャ付きのドライバーは多い。ロフトを寝かせることで打ち出し角が上がれば、キャリーを伸ばせるわけだ。

画像: 可変スリーブでロフト角を調整する

可変スリーブでロフト角を調整する

Tips① カチャカチャでロフトを寝かせる

「HS40m/s未満であれば、ロフト13度まではいけます。今のヘッドは低スピン化されているのでロフトが寝るのと相性がいいんです。フェースアングルやライ角の変化は要確認」

「またネック調整と同じでウェイト交換も打ち出し角を上げる、手軽な方法のひとつです。ポイントは重心を深くすることです。ヘッド後方(お尻の部分)にウェイトがあれば、それを少し重めにしたり、鉛を貼るのも効果的です」

画像: ウェイト交換で重心位置を変える

ウェイト交換で重心位置を変える

Tips② ウェイト交換で重心を深くする

「ウェイト交換の目的は重心を深くすることです。深重心ほど、ロフトが寝やすくなり、打ち出し角 が上げられます。ウェイトがなければ、鉛を貼っても効果があります」

さらに堀越プロはスウィングを変えるのは難しいが、セットアップを工夫するだけで打ち出し角を上げることも可能だという。

「いちばん簡単なのは、いつもよりティーアップを高くすることです。ドライバーはアッパー軌道で打つわけですから、ボール位置が高くなれば、打ち出し角も上がりやすくなります」

画像: ティーの高さでスウィング軌道を意識する

ティーの高さでスウィング軌道を意識する

Tips③ ティー高めでアッパーにとらえる

「ティーを高くするとアッパーにボールをとらえやすくなり、打ち出し角が上げられます。フェース面の上めでとらえやすくなるのでさらにロフトが寝て、より効果的です」

「またアドレス時に軸を右に傾けるのも同じ効果があります。要はロフト角の少なさをアッパー軌道で補うわけです。ちなみにアマチュアのヘッドスピードに近い女子プロはアッパー軌道で打つため、ロフトは8度や9度など、少なめが主流。強いアッパー軌道でボールをとらえるからこそ、ロフトを立てて、適正な打ち出し角を確保しているのです。大切なのはいかに打ち出し角を上げるか! です。その一歩がロフト多めのヘッドなんです」

画像: 体の軸を傾けてスウィング軌道を変化させる

体の軸を傾けてスウィング軌道を変化させる

Tips④ 軸を右に傾けアッパー軌道に

「いつもより少し軸を右に傾けてアドレスするとアッパー軌道で振りやすいです。ポイントは頭を残して手先を走らせるのではなく、体全体をしっかり回すことです」

ドライバーを買い替えるならここに注目

先調子のシャフトに変える
「シャフトを買い替えられるなら先調子のシャフトがおすすめです。先端(ヘッド)が動きやすいほど、しなり戻りでロフトが寝て、打ち出し角が上げられるからです」

深重心ヘッドに替える
「打ち出し角を上げるには 深重心ヘッドが最適です。シャローバックといわれるヘッド後方が低く伸びた形状ほど、重心は深めです。深重心はミスヒットにも強いです」

画像: 打ち出し角を増やすには深重心のヘッドが最適

打ち出し角を増やすには深重心のヘッドが最適

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アマチュアゴルファーにとって、ロフトが寝ることによって得られるメリットはかなり大きそうだ。手持ちのクラブを調整し、ハイロフトのドライバーを振ってみることから挑戦してみてはいかがだろうか。

PHOTO/Tsukasa Kobayashi、Yasuo Masuda
THANKS/クレアゴルフフィールド

※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月11日号「飛ぶクラブ選びの新基準 HS30m/s台ならドライバーは”打ち出し角”で選ぼう」より一部抜粋

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