「なぜ女子プロたちは250ヤードも飛ばせるのか。効率がよく安定したスウィングはもちろんだが、クラブにも秘密があるに違いない」ということで、2024年6月18日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では女子プロ4人の使用ドライバーと同スペック(ヘッド、シャフト、グリップ、バランス)で組み、勝又崇之プロに打ってもらった。「みんなのゴルフダイジェスト」では、そのなかから山内日菜子・穴井詩の結果を紹介しよう!

解説&試打はこの2人!

画像: 左:勝又崇之プロ、右:山崎康寛クラフトマン

左:勝又崇之プロ、右:山崎康寛クラフトマン

勝又崇之
専修大学卒業後の08年プロテストでトップ合格。ギアへの造詣も深く、自らの試打データを弾道計測器並みの正確さで予測できる。現在は「GOLF PLACE」でレッスンを行う

山崎康寛クラフトマン
ツアープロや競技アマから絶大な信頼を得ているカリスマクラフトマン。練馬区上石神井でインドアゴルフスクール&練習場「GOLF PLACE」を主宰。ショップ&工房も併設

山内日菜子と同スペックのドライバーを試打

画像1: 女子プロの飛ばしの秘密を使用ドライバーから探る! 山内日菜子、穴井詩が使うヘッド、シャフト、グリップまで再現して男子プロが打ってみた!

▶山内日菜子のスタッツ

メルセデス・ランク74位
年間獲得賞金71位(333万9062円)
平均ストローク58位(72.8092)
ドライビングディスタンス53位(234.13Y)

米国女子ツアーで5連勝を含む6勝を挙げているネリー・コルダが使用する「Qi10 MAX」。慣性モーメントを極限まで大きくした“曲がらない”ドライバーとしてアマチュアに人気だが、国内女子ツアーで使用する山内日菜子のスペックを再現してみた。

テーラーメイド「Qi10MAX」×フジクラ「スピーダーNXグリーン」

画像2: 女子プロの飛ばしの秘密を使用ドライバーから探る! 山内日菜子、穴井詩が使うヘッド、シャフト、グリップまで再現して男子プロが打ってみた!

「やさしいシャフトとの組み合わせで曲がらない! 」(勝又)

長さを合わせて組んだだけだとバランスがD4と出てしまったので、ヘッド後部のウェイトを6g減らしてD0に合わせた。「自然に球がつかまってくれる」(勝又)

▶ナイスショット5球の平均

HS●43.8m/s
初速●63.6m/s
打ち出し角●13.5度
スピン量●2574rpm
高さ●36.9Y
キャリー●235.6Y
飛距離●246.7Y

画像: ◎バランス/D0 ◎グリップ/PALMAX ツアーウェーブ◎ロフト/10.5度◎シャフト/50R・45.25インチ

◎バランス/D0 ◎グリップ/PALMAX ツアーウェーブ◎ロフト/10.5度◎シャフト/50R・45.25インチ

飛距離よりも安定性重視の組み合わせ

「今年、話題の“10K”ドライバー『Qi10MAX』。余計な動きをせず、挙動が安定しているヘッドなので、球が上がりやすく、つかまり具合もまずまず。そこに合わせたのは国内女子ツアーで最も使用者の多い『スピーダーNX グリーン』。走るシャフトで球が上がりやすい。打つと本当にやさしい。ゆるやかにフワッと来る感じで、とにかく曲がらない。曲がらないから結果として飛距離も稼げます。本当にやさしいので多くのアマチュアが使える組み合わせです」(勝又)

「ウェイトを軽くしてバランスを小さくした分、振りやすいのですが、ノーマルのウェイトと打ち比べてみると飛距離がほんのわずかですが落ちていました。ただ振り遅れを防げるので右プッシュも出にくいし、引っかけることもない。曲げたくないという意思が伝わってきます。ヘッドの安定性は抜群でスピンも適度に入り高さも出る。球もつかまるので多くのアマチュアに合うでしょう」(山崎)

穴井詩と同スペックのドライバーを試打

画像4: 女子プロの飛ばしの秘密を使用ドライバーから探る! 山内日菜子、穴井詩が使うヘッド、シャフト、グリップまで再現して男子プロが打ってみた!

▶スタッツ

メルセデス・ランク19位
年間獲得賞金33位(1241万7000円)
平均ストローク15位(71.3347)
ドライビングディスタンス2位(260.81Y)

5月のブリヂストンオープン終了時のドライビングディスタンスは262.19Yで1位だった女子ツアー屈指の飛ばし屋・穴井詩。彼女の使うドライバーは男子顔負けで、その飛距離も納得のハードスペックだった。

「これは飛ぶ!平均260Y超も納得」(勝又)

画像5: 女子プロの飛ばしの秘密を使用ドライバーから探る! 山内日菜子、穴井詩が使うヘッド、シャフト、グリップまで再現して男子プロが打ってみた!

昨年、穴井が使用していたドライバー「パラダイム♦♦♦」はヘッド重量を186gと軽くして、バランスもC6.5~7と小さかったが、今年の「Qi10 LS」はバランスC5.5とさらに小さくなっている。そのため再現するにはヘッド後部のウェイトを12.5g軽くしてバランスを出した

▶ナイスショット5球の平均

HS●48.2m/s
初速●70.4Sm/s
打ち出し角●12.6度
スピン量●2317rpm
高さ●34.5Y
キャリー●262.2Y
飛距離●279.8Y

テーラーメイド「Qi10LS」×フジクラ「ベンタスブルー」

画像: ◎バランス/C5.5◎グリップ/イオミック Sticky Black Army 2.3、ロフトは9度シャフトは50S/45.25インチ

◎バランス/C5.5◎グリップ/イオミック Sticky Black Army 2.3、ロフトは9度シャフトは50S/45.25インチ

バランスを小さくして振り抜きを重視

「ロースピンの小ぶりなヘッドでロフトが9度と立っているので、球が上がらずつかまりにくい。つかまえられるパワーとスピードが必要です。このスペック以外は女子プロのヘッドスピードに合わせてHS45m/s以下で打ってきましたが、このスペックだと、球がドロップしてしまうので、つい振ってしまいました。ただ、ヘッドスピードを上げて、球をつかまえられる腕があれば、この組み合わせは飛びます。ウェイトを軽くしてバランスを小さくしてあるので操作性も高い。最低でもHS45m/s、加えて球をつかまえられる腕があって、自分で操作したい人なら使えると思いますが、アマチュアで合う人はなかなかいないかもしれません」(勝又)

「女子には珍しいハードなスペック。ウェイトを軽くしてバランスを小さくした分、例えるなら上手く乗りこなさないと手に負えない暴れ馬。ただ、暴れるからこそ余計なことをしなくなるので、スウィングが安定するのかもしれません」(山崎)

PHOTO/Takanori Miki、Tomoya Nomura
THANKS/GOLF PLACE

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※今回紹介した2人のほかに、鈴木愛や上田桃子の同スペックドライバーも試打! 2024年6月18日号の「週刊ゴルフダイジェスト」またはMyゴルフダイジェストをチェック

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